Lost -another-

槻坂凪桜

第1話

 いつからだろう。


 私の世界が『彼』中心に見え出したのは。


 かつての相棒よりも、今隣にいる『彼』に愛しさを覚えるようになったのは。




 SFの私とPGの『彼』は、バスケでも私生活でも相性が良くて。


 それが故なのか、今は『彼』以外が隣に立つ事が考えられなくて。


 ...「この人になら全てを委ねても良い」なんて、そう思えるのも初めてで。


 身も心も彼に陶酔しきっているはず、なのに...。






『また二人でバスケしよーな!零音れね!』

『うん!また一緒に遊ぼーね!』


悠也ゆうや君...」




 かつて、共にコートを駆けた"君"を、未だに忘れられないのはどうしてなんだろう。

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