始まるのかな、この恋は

「今、何してますか?」


彼からメッセージが届いた。

彼は同い年(と思われる)のネット作家だ。私は彼の文章が好きで、読んではすぐ、感想を送るくらいだった。


「あなたと会話してますよ。」


返信して、ベンチに座る。

少し近くで子どもたちがボールで遊んでいる。


「会話だけ?笑」


と返ってきた。


「あー笑 散歩をしてます、休日なので」


私はその場でくすと笑う。


「奇遇ですね、僕もです」


あら、と思い口を手で隠す。

また笑みがこぼれる。



すると、ボールがぽーーんと高く上がった。

それとほぼ同時に、


「あ 」


とだけのメッセージが届く。


「どうしました?」


聞くと、


「いま、ボールがぽーんと上がったんです。思ったより高くてびっくりしました笑」


私は驚いて、立ち上がる。

周りはガヤガヤ騒いでいる。


「それにしても、今日はいい天気ですね」


メッセージが届く。

私はベンチに座り直した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る