なんかありそうなCMを集めてみた

またたび

なんかありそうなCMを集めてみた

 ①


「おかあ〜さん」


「なんだい?」


「パンとお米どっちが好き〜?」


「うーん、そうだなあ。パンかな」


「おかあさんの非国民っ! バカっ!」


「なっ」


「もうおかあさんなんて知らない……!」


(そ、そんな……お米よりパンが好きなだけで非国民扱いなんて……。しかもその言葉はもはや死語だろう……どこで覚えたの)


「娘に嫌われてしまった」 グス グス


「チャンスを与えてやろう」


「なっ貴方は神様!?」


 ピカーん


「パンとお米どっちが好き〜?」


「もちろん、お米だよ」


「いや古っ」


「えっ……?」


「グローバル社会の中、米にこだわる日本人とかありえない! やれやれ、ナショナリズムかよ」


(我が娘ながら、すげえ偏見持ってんな、おい)


 ピカーん


「パンとお米どっちが好き〜?」



 どう答えればいいか悩んだそこの貴方!



 そんな時はザキヤマパンの『米粉パン』! みんなで食べよう米粉パン! 娘さんもほら、にっこり!


「米粉パンとかまじ、おかあさん英雄〜♪」


 ザキヤマパンっ!


 ②


 ピロピロ


「はい、もしもし山田です」


「大変です! 貴方の息子さんが詐欺にあいまして! 急遽お金が必要に」


「僕、息子いませんよ」


「えっ」


「独身貴族です」にこっ


「あっ、え、そ、あの」


「良かったらお茶しますか?」


 詐欺から始まる恋物語……。月9異例のストーリーが今始まる!


『詐欺は恥だしサツに捕まる』


 みんなっ! 見てくれよなっ!


 ③


「おかあさん、お腹減ったよ!」


「はいはい。今日はね……なんと、貴方の大好物のチャーハンよ!」


「えっ、ほんと!? ちょーヤンバルクイナ!!」


「待っててね〜。今作るから」


 シャカシャカ チャカチャカ


「「いただきま〜〜す!!」」


「って僕のチャーハンは?」


「おめーのチャーハンねぇから!」


「そんなあ」


 そんなあ……ときは! 家族愛だって温まる『長崎園の冷凍チャーハン』!


 パリパリなそのお米は、パリパリに折れそうになる貴方の心に寄り添います!


 ジューシーなそのチャーシューは、貴方の血や汗になってなんか強くさせます!


 美味しいその野菜たちは、農家さんの笑顔を浮かべながら食べてね♪


 長崎えーん


 ④


「おいっ! こいつの命がどうなってもいいのか!」


「ひぃぃっ、お助けよ」


「お前の要求はなんだ!」 ピーポーピーポー


「愛がっ! 愛が欲しいっ!」


「そ、それは無理だ……」


 そんなことにならないために。大切な人には愛を注ぎましょう。


 人権は誰にもあります。愛される権利も、愛する権利も、誰にもあります。


 ノー差別 ノーいじめ


 E.T.japan


 ⑤


 ポチっ


「最近CMも独特なのが増えてきたよね」


「頭に残るようなメロディの音楽、有名な役者さん、忘れられないパワーワードや演出。様々な工夫を凝らして、多くの人が協力して……そんな努力の結晶として、一つのCMができるんだよ」


「なんでそんなに頑張るの?」


「それはもちろん企業さんが儲かるための宣伝目的もあるんだろうけど……。メッセージ性があったり、お茶の間をほっこりさせたり、CMは人を豊かにする表現の一つでもあるんだよ」


「ふーん」


「ところでこんな独特な小説を書いたのは誰かな〜?」


「池人 竜!」


「そうだね、池人 竜だね! みんな覚えておこう! 奇抜な小説家だから覚えていて損はないよ……多分」


「みなさま、池人 竜をお願いします! 潔き一票を!」


「ふふ、政治家じゃないんだから」


 ってことでみなさま、これからもよろしくお願いします!! 最後は自分の宣伝CMというね……(乾いた笑い)


 〜 〜


 ハイカットっ!


「お疲れ様です〜。ところで池人さん」


 えっ、はい。なんでしょうか。


「貴方……前回の作品で妖精に小説更新を催促されてましたよね?」


 ええ、まあ。


 ※詳しくはこちらから⇨https://kakuyomu.jp/works/1177354054889681211


「なのに更新速度がさらに遅くなった挙句、シリーズ物の小説も二話で止まってますよね? ありがたいことに最近フォロワーさんが増えてきているのに……なぜそこでペースが落ちるんですか!」


 す、すいません。


「謝って済むなら警察は要らんわっ!」


 ひっ!?


「それで? ようやく新作を書いたと思ったら、こんな内容もない話。なめてるの?」


 いえいえそんなことは……。


「前回はリンク貼ったり絵文字貼ったりと……無駄に新しいことにチャレンジしてみてたようだけど、今回は大した新しいチャレンジもせず。挙句にさっきの※のリンクネタは使い回しじゃねえか、おらっ!」


 ひっっ!? すんまそん!


「屋上へいこうぜ……久しぶりに……キレちまったよ」


 勘弁してくださいっ!


 もうこんなに怒られるなんて最悪だよ……トホホ。



 終わり






「ってこんな昭和アニメみたいな終わり方が許されると思ってるのか!? トホホって言って、画面黒くなって丸が小さくなるアレか!?」


 分かりにくい……。


「うるさいわ! 漫画じゃなくて小説なんだから伝わりにくいのは仕方ないだろ!?」


 諦めたらそこで……。


「言わせねぇよ!? まあ、ともかく。仮にも一つの作品なんですから、ちゃんとしたオチで締めてくださいよ」


 と言われても、オチが浮かばないんだよなあ。


「おいおい」


 まあ大丈夫。もしオチがないとか、つまんないとか、そんなコメントが来たらこんな黒歴史作品はすぐ非公開にするから!


「非公開にすれば許されるとでも?」


 きっと大丈夫さ……多分……(乾いた笑い)


「許さないぞ。少なくとも私は許さんぞおおおおおおおお!! 池人 竜っ!」


 戸愚呂弟みたいに青くなりそうだな……この人……。


「すべての人の愛するものを消しさり、無に帰してくれようぞ」


 ラスボスってこうやって生まれるんだナー←のん気


 終わり

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

なんかありそうなCMを集めてみた またたび @Ryuto52

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ