第6話

 どうも先生こんにちは。そうそう、先生に言われていた骨髄バンクのドナー登録、とうとうやってきましたよ。あと、献血も二カ月に一度は行くことにしました。臓器提供意思表示カードもちゃんと作ったんですから。こういうのがあるって全然知らなかったですよ。薬? ちゃんと飲んでますよ。しかし、一生っていうのは、先生どういうことですか。私にはまだよく理解ができないんですよね。ええ。一生というか死ぬまで? 同じじゃないですか。え? 違うんですか。新しい法律? だから先生、私にはそういう難しい話は……「性格破綻者有効利用促進法」、ですか。それはどういう?

 あれ? 先生また新しいパンフレットですか。今度は何をすればいいんでしょうか、私。はぁ、腎臓の提供。それで助かる人がいるっていうならかまいませんけれども。ええ、ええ、別にいいですよ。年休をとりますから。手術はいつになりますかね。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新法 うらたきよひこ @urata-kiyohiko

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ