最強魔王な兄と落ちこぼれ勇者な妹

@maitake09

第0話 自己紹介

「俺のなりたい職業は魔王だ!」

「私のなりたい職業は勇者です!」

俺達がこんな意味の分からん事を言っているのは時を遡ること10分……


俺の名前は高宮行斗。行斗と書いて、「いくと」だ。(18歳)

見た目は、周りからイケメンと言われている。成績は優秀。運動神経も良い。どのくらいか、と言われると成績の方は教科書を少し見るだけで90点以上は保証される。運動の方は体育の先生に世界を目指せると言われたくらいだ。だがしかし、そんなことはどうでもいい。俺は妹に好かれたい一心で勉強も運動も頑張ってきた。妹以外からの称賛など欲しいと思ったことは1度たりともない。だが、肝心の妹からは嫌われている。

何故だ?一体何が足りない?最近妹が

「腹筋が割れている人って素敵。」

みたいなことを言っていたので張り切って筋トレをして、やっと割れたので妹に見せたら「キモ。」

と一言言われただけだった。

「これがツンデレってやつか。」

と言ったら、

「は、何言ってんの?死ねば。」

と言われて自殺しようかと本気で思った。というかしかけた。気付いたら窓を開けて身を乗り出していた。だが、まだ妹に好かれていないという未練から自殺をやめた。これが俺の簡易的な自己紹介である。次は愛しの妹の紹介に移ろう。


私の名前は高宮優衣。優衣と書いて「ゆい」。(16歳)

見た目は中の上だと思いたい。成績、運動神経全てにおいて平凡。ここで気付く人もいるかもしれないけれど、私はことあるごとに兄である高宮行斗と比べられている。だから兄が嫌いだ。むしろ兄なんていなくていいと思う。けど兄はことあるごとに私に引っ付いてきて私からの好感度をあげようとしている。この前なんてイケメンの載っている写真集を見ていたとき、つい

「イケメンってシックスパックが多いんだよねー。」

と呟いたらどこぞのバカ兄が

「まかせろ‼️」

と、意気揚々と勘違いしたまま部屋にこもって筋トレを始めてしまった。それで終わりならまだしも、数週間たったあと兄が上半身裸で、できかけのシックスパックを見せてきて(どうだ!)

と言いたそうな顔でこちらを見ていたので

「キモ。」

と言った。さすがに懲りてくれるだろうと思ったらまさかの

「これがツンデレってやつか。」

と、言ってきたときは思わず

「は、何言ってんの?死ねば。」

と素で返してしまった。その日の夜2階から窓を開けてなんか動いている音が聞こえてきたが気のせいだろう。流石の兄も死ねと言われて死ぬほどバカじゃない。と、まあこんなバカ兄と一緒に暮らすのはとてもとても疲れるのです。最近だと私の好きなアニメが魔法系のアニメなんだけど、それに気付いた兄がオタクになってしまった。しかも、小説、マンガ、アニメで魔法が出てくるものはほぼ全て抜かりなく見ている。見るだけならまだしも自分が見て面白かったものを勧めるという口実をもとに私と話そうとしてくる。同じアニメを5~6回勧めてきたときは殴りたくなった。

私ではなく兄の紹介が多かったですが、これが私の自己紹介です。


兄:「本当は物語に入りたかったが自己紹介が思ったより長くなってしまったから続きは次回からにしようと思う。」

妹:「次回の1話をお楽しみ下さい。けっしてつまらなくさせません。」

兄妹:「これで第0話を終わります。」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る