配下No.1 大橋 彩(おおはし あや)
私の名前は 大橋 彩 って言います。
20歳の大学生です。
札幌駅にあるデパートのショップでアルバイトをしています。
将来はファッション関係のお仕事につけたら良いなあと思ってます。
でも皆には内緒ですが、他にアイドルもやっているんです。
マイナーな地方アイドルですが、札幌やそれ以外の地域にも遠征したりしてとっても楽しいです。
アイドルになったきっかけは、シンデレラスターズ(略してデレスタ)、というアイドルグループがいまして、昔はプロデューサーとしてライブ等に参加してたのですが、ある日観たライブが凄すぎて感動して、私もあそこに立ちたいと思ってしまったんですよね。
だから現実の目標はショップ店員ですが、夢の目標はアイドルになってデレスタの一員になることです!
そしていつか白馬の王子様が迎えに来てくれるんです。
私、頑張ります!
実は私がアイドルをしている事も目指している事も知っている親友が二人います。
一人は、サッチャンこと佐倉 綾ちゃん。
もう一人は、ウッチャンこと内田 礼ちゃん。
そしてオッチャン、じゃないですよ!
オーチャンと呼ばれている私を含めた三人は、周りから『さんアヤ』と呼ばれてます。
『さんバカ』じゃないですよ!
三人のアヤで『さ・ん・ア・ヤ』です!
三人とも大学の農学部で、ゴスロリの格好をしていたウッチャンに、フリフリが好きだった私が話しかけたのが仲良くなったきっかけです。
サッチャンとウッチャンは元から仲良しだったらしく、あとでサッチャンを紹介してもらいました。
その日から毎日のように三人でお茶をしたり、カラオケに行ったりして遊んでいました。
しかし4月2日、それは起こりました。
日曜日だったので、午前中はショップでアルバイトし、午後からアイドルの活動をする予定でした。
デパートの二階で仕事をしていると、下の階から悲鳴が聞こえて来ました。
何だろうと思い、エスカレーターから下を覗きました。
そこにはエスカレーターに乗ったお婆ちゃんがいました。
お婆ちゃんはエスカレーターから降りる時に躓いたのか倒れてしまいました。
他のショップの人と心配して近付くと、いきなり襲いかかって来ました。
私は避けたのですが、足を掴まれてしまい、その場に倒れてしまいます。
足に激痛が走りましたが、他のショップの人が助けてくれたので、その人と一緒にエスカレーターで上の階に逃げる事にしました。
下から悲鳴が聞こえる中、必死に八階にあるレストラン街に逃げ込みました。
そこでも危険だと判断した私達は、バックヤードへ扉から入り、九階にある従業員食堂に逃げ込みました。
食堂に着き自動販売機でお茶を買って飲み、ようやく落ち着く事ができました。
あれはいったい何なんですか?
前に観たゾンビ映画のようでしたが。
考えているとホッとしたためか眠気が襲って来ました。
私は疲れていたのでその睡魔に抗う事なく眠りに落ちました。
どれくらい寝ていたのかわかりませんが、私は起きたのかその場で立っていました。
ん?何で私は立っているんでしょう。
周りを見ると先程のゾンビみたいのが沢山います。
逃げ出そうとしますが体が上手く動きません。
向こうも私を襲う気はないようです。
それからあてもなく食堂をブラブラとしていたら、聞き覚えのある声が聞こえて来ました。
(サッチャン!)
私は嬉しくなって名前を呼びますが、変な声しか出ません。
風邪でしょうか?
そしてガラス製のドアに写った姿を見て確信しました。
私はゾンビになってしまったのだと。
お婆ちゃんに足を噛まれていたのでしょう。
そんな私にサッチャンが近寄ろうとします。
ダメ!来ないで!
すると隣にい男性がサッチャンの襟首を掴みます。
サッチャンはグエッとなっていてちょっと面白かったです。
男性が何か言葉を紡ぎ出しました。
私の頭の中に言葉が流れ込んできて、体が勝手に跪きました。
ああ、この人がきっと、私が待っていた王子様だったのですね。
ちょっと美味しそうなのであとでこっそり食べてみましょうか。エヘッ。
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