第7話 セーフティーゾーンーーその2

 セーフティーゾーン。最終戦後半、終始攻めながらも旗を奪うことができなかったチームKOURYUU。決勝戦のルールブックを読み合わせての作戦会議。いつもはコソコソとぼやく程度のまことが、この日はよく喋った。


「優勝するには、あくまで最終ラウンドに勝利することです」

「そのために、たかたんさんとだっさんさんのどちらかを1番に狙うって?」

「危険はつきものですが、第2ラウンド以降の戦局をも左右します」


 ルールブックによると、決勝は3ラウンド。1ラウンド毎に1チームが脱落し、第3ラウンドは1対1の戦いとなる。また、各ラウンドを勝ち上がった場合でも、そのラウンド中にチーム内で1番はじめにヒットされたプレイヤーは次ラウンド以降出場ができない。だから、1番先に敵のエースプレイヤーをヒットすれば、その後のラウンドが序盤から有利になるのだ。そのことに、まことが1番はじめに気付いた。


「すごいすごい。これなら勝てるね!」

「何言ってるのよ。簡単に言わないの。返り討ちにあったらどうするの?」

「ま、たしかに危険な作戦。やるかやらないかは、マスター次第ってとこでしょ」


 決断を迫られた太一は、無責任にも言った。


「ここまできたら、優勝したい!」

「決まりっしょ!」

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