サバゲー編

世界三大〇〇

第1話 『大会エントリー』

「結構混んでるー」

「サバゲーって、こんなに人気あるのね」

「ふんっ。だからやめておこうって言ったのよ」


 あおいとアイリスは目を丸くして、フィールドに集まった人を見つめた。本当はやめておこうって言っていないしいか。だが、やめておこうと言ったと言われて、言ってないでしょと言うものは誰もいなかった。しいか本人も含めてみんな言ってたような気になっているのだ。反抗期もここまでくれば一端だ。いつもならすかさずフォローにまわる優姫が、まことと一緒に大会エントリーのためにその場を離れていたので、しいかはあおいとアイリスに放置される。


「……。よりによって、大会の日に来てしまうなんて……。」

「いや、これは大きなチャンスかもしれない!」


 何の根拠もないし、そもそも何のためのチャンスなのかも定かではないが、太一はあゆみに応じて勢いでそう言った。


「たしかに。これは、私達の最初の戦いよ」

「勝って、名をあげましょう!」

「まりえがマスターを守っちゃうんだから」


 乗りやすいあおいとアイリスとまりえが、適当なことを言った。戦う理由は何もなく、勝たなければならない理由は何もない。太一が狙われているということもない。だがここに、高校生宮司と7人の巫女の団結が生まれた。


「エントリーが済みました。講習会を開いてくれることになりました」

「ま、思った通りの特別待遇ってヤツ。受付のおっさん、鼻の下を伸ばしてたっしょ」


 大会当日に無料講習会をして初心者が即エントリー。そんな特別待遇は普通ではあり得ない。だが、はじめてのお買い物以来、優姫の交渉術は冴えまくっている。


 大会には15チームが参加。1試合は4チームで6分。フラッグ戦という相手チームの旗を奪ったら勝ちというルールだ。予選に勝つと、決勝戦に進むことができる。太一達は『チームKOURYUU』として予選第4、8、11、15試合に出場することになった。

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