第24話告別式
知恵は、助けてくれた恩人の告別式に孝の制止を振り切って行った。
そこで、初めて佐藤健太に会った。
健太は、気丈に振る舞っていた。
それを見て知恵は涙を堪えた。
同じ中学三年生‥‥。
知恵は、健太と偶然にも同じ中学校に通っていた。
隣のクラスだった。
知恵は、休み時間の度に健太を見に行った。
心配だった。
健太は、孤立していた。
窓際の席で窓の外を見ていた。
廃人のようになっていた。
知恵は、自分自身を見ているようだった。
声をかけたい‥‥。
笑顔を取り戻して欲しい。
助けたい。
でもいつも一人の女の子が健太に声をかけていた。
噂では、彼女は幼なじみの水野梨花。
梨花は、健太を好きだと女の勘で分かった。
健太の様子が夏近くなると変わった。
いつも机に向かって勉強をしていた。
孝に調べさせると健太は名門エリス学園を受験するらしい。
知恵は、同じ高校を受験しようと決めた。
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