第2話大豪邸

「僕は、可哀想な人間じゃない!死んだ両親に誓ったんだ!」


「何を?」


知恵はナイフを握ったままで聞いてきた。


「お前に答えるつもりない!車から降ろせよ!」


健太は、涙が出てきた。

自分の事を可哀想な人間だと思われるのは一番嫌いな事だ。


「決めたわ、やっぱりあなたを監禁する!」


何なんだ、この女の余裕は‥‥。


「犯罪だぞ!どんな金持ちだって許されない!」


「警察には根回ししたわ。これであなたはこの世で消えた人間になったわね。」


知恵は、ガスマスクをつけた。


「お休みなさい。」


急に車の中が曇った。


「何だよ‥‥これ‥‥?」


眠気がしてきた。

僕は、意識を失った。


目覚めると中世ヨーロッパを思わす部屋のベッドで横になっていた。


起き上がって部屋の窓の外を覗いて見た。広大、過ぎる庭が広がっていた。


「気に入ってくれました?」


ベッドの上で下着姿の知恵がいた。

僕は、抗えぬ欲望を抑えた。


「‥‥‥。」


「我が神無月家です。」


知恵が、もじもじしながら言った。

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