ユカイなラブストーリー

僕のユカイな体験を聞くかい?


ただ一人の女の子と

一緒にいたかっただけなんだ


真昼間からなにか

強いドリンクが欲しくなる

醒めていた僕を見つけた君

君は最初になんていったんだっけ

その言葉でラムのグラスが弾けたんだ


君は一体どこから来たの

仲間の問いに君は笑うだけ

ひょっとして億万長者の娘とか

まさか、と笑う君の口元が

ちょっと硬くなったのを見逃さなかったぜ


やがて街に行方不明手配書がばらまかれる

ソーダポップのキャンディ色した瞳で

太陽に当たると虹色になるブロンド

痩せっぽちのきみを50万で探せ


探偵や刑事は50万を70万につりあげろと

君のパパを説得中

50万で御の字の民衆は

君を狩るために犬や銃を用意する

まるで君はキツネかウサギになった気分


僕は君の手を取って

小さなレストランに隠れるけど

小銭を拾うふりをして

君を確認する男たち

僕たちは逃げなければならない


テレビに君のパパ

ネットニュースに君のママ

YouTubeに君のフィアンセ

涙ながらに訴える


泣いてる彼らの言うところによれば

君をつれて逃げてる僕らは

見つかり次第死刑だそうだ

娘の嫌がる結婚を押し付けといてよく言うね


僕らの見つけた小さな町

君は独房アパートの中

息も絶え絶えに潜んでいる

君の賞金は200万まで跳ね上がり

人々はこのアパートを怪しみ出す


ついにその日がやってきて

僕らは奴らの手で大海にほおり出される

だけど僕らはこんなことで

諦めたりしない

素晴らしい黄金の頭脳と最高の仲間


なんだってやってやる

一緒に逃げてるあいだに

君の気持ちを掴んだのは僕

僕の気持ちを掴んだのは君


僕はただ君とずっと一緒にいたいだけ


話を聞いたからには

一口噛むよなあ

今夜待ってるぜ


s600120






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る