第5話 はじまりはじまり
真壁「いやぁ凄かったな。噂は本当だったんだな。俺達までVIPになった気分だったよ」
西崎「俺なんかビビったよ。VIPって言うか、護送されてる気分だったけど。でもさぁ、朝に飛行機着いて空港から宿泊のホテルまでの護送、、いやVIP送迎、んでホテルでゆっくり出来るかと思いきや荷物置いてほぼほぼすぐに勉強会開始でこんな遅い時間までびっしり缶詰めだぜぇ。面白かったけど先行き不安だよなぁ」
真壁「二週間毎日びっしりだもんな。でもスケジュール表見たら一日だけ休日あったよな。何しようか?どっか観光にでも行くか?」
西崎「おまえ余裕だなぁ、今日みたいの毎日続いたら休日なんて部屋でバタンキューだろ」
真壁「今日サポートに来てくれてた留学生の関守さんから聞いたんだけど、今回の講師の老師達は中国でもなかなかお目にかかれない有名な人達ばかりで、その人達が日替わりで来てくれるんだからスケジュール調整大変だったらしいよ。だから缶詰めのハードスケジュールは仕方ないみたい。それでも凄い先生達に直接指導してもらえるのはラッキーって喜んでだよ」
西崎「凄ぇなぁ、俺なんか初日からいっぱいいっぱいだよ。あーもう考えるの止めたっ!腹減ったな。夕飯どうする?この時間じゃホテル向かいのスーパーも閉まっちゃってるでしょ?近くにファミレスとかファストフードないかなぁ?ホテル内のレストランじゃ高いしな」
真壁「それなら関守さんにホテル周辺の美味しいローカルな食堂いくつか聞いておいたよ。お勧めの飲茶屋さんがあるらしい」
西崎「それっ!でかした!流石!まかべ!」
中国研修のサポートメンバーで助手として日本人留学生も数名参加していた。
その一人、関守は西崎や真壁達と同じように日本で鍼灸の専門学校で学ぶ学生だった。二人と同じように梁瀬社長の研修会に何度も足を運ぶうちに本場中国で更に研鑽を積みたいと思うようになり、中国医学系の大学への留学を梁瀬社長に世話してもらっていた。同様の留学生が年に数名出るらしい。
梁瀬社長の人脈があったとしても裏口入学とかでは無く、留学生本人の実力で入試を合格しなければならない。梁瀬社長の後押しというのは中国の厳しい条件をクリアするための書類の準備や煩雑な手続きのお手伝い、入試対策の勉強、入試時のホテルの手配や、見事合格した暁には学生として住まう下宿やバイト先の紹介などであった。至れり尽くせりである。
関守は日本では既に鍼灸マッサージ師の国家資格に合格していたがその後中国留学して二年目であった。中医の資格を得れば中国では医師となる。
今回の勉強会で講師役老師の治療院でバイトしているため表向きは助手として手伝いということになっていたが、他の講習にも同席できるため、自分の師匠以外の有名な先生達の講習が受けられるということで気持ちは受講生の一人の気分でテンションも高めだった。関守も日本で学生だった頃にはこの中国研修には二度参加していた。
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