キミがボクの世界のすべてだった頃

キミがボクの世界のすべてだった頃

あの頃は何もかもが輝いて

手を伸ばせばいつもそこにキミがいた

宝石のようなあの日々の記憶を

ボクはもう思い出すことができない


もう会うことのないキミは

ボクの世界からすべてを持ち去った

空っぽになったこの景色の中で

世界を照らしていた不思議な光

それが愛だったのだとボクは知った


キミがボクの世界のすべてだった頃

あの頃は何もかもが鮮やかで

振り返ればいつもそこでキミが笑っていた

遠い夜空の彼方

煌めく星のようなあの日々の記憶を

ボクはもう

思い出したくても思い出せない


キミに会えないことが

ボクの世界を空白に染めていく

何も無いこの景色の中で

ボクの心は枯れてゆく


キミがボクの世界のすべてだった頃

手を伸ばせばキミがそこにいて

振り返ればそこでキミが笑っていた

キミがボクに愛を教えてくれた

あの日々の記憶

思い出せない

思い出さない


でも本当は

思い出したい


キミがボクの世界のすべてだった頃

キミの笑顔で満ちていたあの日々の記憶を

いつか懐かしい思い出として

ボクは思い出すことができるだろうか

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