隣の席よろしいでしょうか?
セバスとツアレが食堂に入ると、そこには沢山のメイドやモンスターなどがいた。
「現在食堂は、リニューアル工事を行っていて本当の大きさではないのですが、かなり広いでしょう?ツアレ?」
セバスが自慢げにツアレに話す。
「ええ、以前行ったスパも大きかったのですが、食堂もこんなに広いとは・・・驚きです・・!」
ツアレは驚きで声が出ないあまりか、何を食べようかで頭がいっぱいの様だった。
「ここは人間の言い方だと、ビュッフェスタイルに近いですね。自分の好きな食べたいものを選び注文して、受け取ります。大盛りが食べたい方は大皿から自分の好きな量だけ持って行って良いのですよ」
セバスが補足説明をした。
「じゃ、じゃあ~私は食べた事のないものを、端から端まで食べたいです!」
ツアレは食べる気満々で、食堂の列に並ぼうとした。
すると、セバスが引き留めた。
「ちょっとお待ちください、ツアレ。注文する前に知っておいて欲しい事があります。
ここの食堂には残飯を処理してくれるありがたいモンスターがいるので、食べられない分は残しても大丈夫なのですが、
明らかに食べられない量を取り、ほとんど残すことを続けると怖いお仕置きがあると、アインズ様が仰っておりましたので、その点は注意して下さいね?ツアレ」
「はい!食べられない量は取らないように気をつけます!」
ツアレにはこのお仕置き話は本当か嘘なのかは分からないが、アインズ様の言う事だからと信じることにした。
(残すとお仕置き?何をされるのかしら・・・気をつけよっと)
そんな話をしていると自分の番が来たようだった。
「へい、いらっしゃい!お嬢ちゃんは初めてだね!何が食べたいのかな?選んでチョーダイ!!」
話しかけてきたのは、見た目はタコのような職人のようなモンスターの食堂店員だった。
「えっと~その~まだ決められなくて・・・悩んでて・・・」
ツアレは番が来たものの、膨大な量のメニューから選べずにいた。
どうしよう・・自分が食べられそうなメニューが分からない・・・と迷っているとセバスが助け舟を出してくれた。
「店員さん、本日の日替わりメニューは何か教えて頂けませんか?」と聞くと店員さんは教えてくれた。
「今日の日替わりは3種類ありますぜ・・・
一つ目はアベリオンシープのベシャメルソースを掛けたステーキどんぶりセット
二つ目は野生のうさぎのタタキと野草スープのセット(玄米付き)
三つめは蛇の煮つけとポーションサラダ・・ですね!いかがしましょうか?」
セバスはツアレにこそこそと「二つ目のうさぎのメニューが良いと思います。蛇やアベリオンシープは玄人向けなので、あんまりおススメしませんね・・」とさりげなくツアレが共食いをしない流れにした。
「・・・・うーん、まだ悩みますが・・・では!セバス様がおススメするうさぎを食べてみようと思います。店員さん、うさぎのメニューをください!お願いします」
ツアレは初めての注文にドキドキしたが、無事注文出来た。
セバスは何とか共食いを避けられてホッとした。
(いつもアベリオンシープなんて日替わりメニューに出ないのに、今日はどうしたんでしょうか・・・?あとで料理長に確認してみますか)
そして、セバスはいつもの洋食のような朝食セットを頼んだ。
その朝食セットの中身は、魔獣の卵のスクランブルエッグとパンとモンスターのベーコンセットだった。
そして、セバスはその時思った。
ああ、そういえば・・・自分がいつも食べている物なら、安全性が分かったのに・・・・ツアレには自分と同じものをすすめれば良かったと、今更になって気づく。
_______二人共、注文の品物を受け取り、座る席を探した。
セバスは、プレアデスの全員にツアレを改めて紹介したいから、今日は集まって座っているようにと告げたはずだ。
(みなさん、どこに座っておられるんでしょうか・・・?)
セバスとツアレがきょろきょろと見回すと、少し離れたところに一段と賑やかなグループがいるようだった。
「ツアレ、あの賑やかな所にプレアデスがいるかもしれません。近づいてみましょう」
「はい、セバス様」
(ついに対面の時が・・・・ドキドキ・・・)
そして、近づくとやはりプレアデスだった。
「さあ、ツアレこちらに座りましょう・・皆さん、仮メイドのツアレも一緒によろしいでしょうか?」
セバスが確認を取ると、了承が得られたのでツアレとセバスはプレアデスの隣に座った。
そして、二人が着席するとプレアデス全員が、セバスの方を向いて順番に挨拶をし始めた。
ツアレは大体はプレアデスの名前は覚えたが、名前と顔を一致させるために、心の中でそれぞれの感想を述べる。
ユリ・アルファ「おはようございます。セバス様」
(眼鏡が素敵なお姉さまだわ・・・ちょっと厳しそうかな?)
ルプスレギナ・ベータ「こんちわーす!セバス様!」
(この方は褐色の肌に髪型は三つ編み。そして人当たりがとても良さそうで、話しかけてみたいな・・・)
ナーベラル・ガンマ「ルプスレギナ、今は朝でしょ!おはようございますよ!・・・失礼いたしました。セバス様、おはようございます」
(この方は肌が色白で綺麗・・・切れ長の眼も素敵・・ルプスレギナ様と仲が良いのかな?)
シズ・デルタ「・・・・かわいい・・・おはようございます・・・」
(シズ様は可愛らしい雰囲気だけど・・・やっぱり綺麗ね・・・)
ソリュシャン・イプシロン「セバス様、おはようございます。ふふ、美味しそうね・・・」
(いつ見てもソリュシャン様は美人だな~。寒気を感じたけど・・・た、たぶん私のご飯が美味しそうなんだよね・・・)
エントマ・ヴァシリッサ・ゼータ「セバスさまぁ、おはようございますぅ。お先に朝食を頂いておりましたぁ」
(話し方は幼いのに、エントマ様の声って大人っぽい・・・まるで別人からもらったみたい・・・)
_______私、ツアレは食堂で朝ご飯を食べています。
やっぱりメイドの中に一人セバス様がいるって違和感あるな~と思いつつ、ご飯を食べています。
そして、皆さん楽しそうに話しているのですが・・・なかなか私は話の輪に入れなくて・・・
ツアレがなかなか話の輪に入れなくて、もぞもぞしている中セバスやプレアデス達はいつものように話していた。
セバス「では、プレアデスからプレイアデスにしても問題は起きていませんか?」
ユリ・アルファ「ええ、さすがアインズ様です。プレイアデスに変わっても任務は滞りなく進んでいます」
ルプスレギナ「セバスさまー!!私はそのおかげで楽できてるっすよ~!もう楽で仕方ないっす!」
ユリ「貴方は、もっと計画的に動くことが大事なのよ。気分で動くのではなくて考えて動きなさい」
ナーベラル「そうそう、ユリお姉さまの言う通りよ。人間と遊ぶのが楽しいのかもしれないけど、考えないとね」
ルプスレギナ「ナーベラルまで~そんなこと言うっすか~悲しいっす~」
シズ「今日のご飯は・・・おいしい・・・」
エントマ「ここも美味しいけどぉ、以前の人間もぉ~美味しかったぁ~」
ソリュシャン「そうね~溶かしながら食べる生物が美味しいわね~」
そして、結局本日はツアレよりも珍しく食堂に来たセバスが目立ってしまって、ツアレが話す時間がなくなってしまった。
「ツアレ、申し訳ありませんでした。私ばかりがプレアデスと話してしまって・・・時間配分を間違えました・・・」
「いえいえ、セバス様は悪くありません・・・」
そんな感じでツアレの初めての食堂での食事が終わった。
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