第2幕 ◇ 夢か



  九月くがつから開学かいがく後、私はもう台湾たいわん藝術げいじゅつ大学、『 希藝シイイー 大學ダーシュエ 』の美術系 びじゅつけい一年生です。





  大学の図書館としょかんで、椅子を座れ、つくえの上に私は絵を描く。画中の人は、じゅの下で立っている。周りの青い花は、彼のそばで飛んでいた...美しくて......ゆめみたいの情景じょうけい。そして、夢みたいに消えた人。私は、そんな彼の表情ひょうじょうくできない。想像そうぞう以上に彼のこと気にして、ただこの手で『 すべての愛 』を表現ひょうげんしてものは......全然ぜんぜん足りない。




  私は...を見て、彼のみじかかみは黒くて、横顔よこがおは......はなも、くちびるも、まゆもだいぶ描いた。でも樹を見つめてる、そんな彼のは......どうしても描いてできません。




  「はぁー」思わず長い息が出た。






  * 愛しい人【いとしいひと】




  * 恋【こい】




  * 夢【ゆめ】






  最後さいごに、私は画の下に日本語にほんごで私の思いを書きます。




  いま思えば、おかしいことがある。八月はちがつ、台湾人の私は、日本で、初めて彼に会ったとき......。




  ( ......なんて消えちゃった? )




  あのとき、強い風が突然とつぜん起こす......すなが私の目にはいった。つぎに目のひら瞬間しゅんかん、もう誰もいない。




  「え?消えちゃった!?」びっくりしたの私は、そのとき言って。




  ( ......どこへ消えたの? )




  さがしてみるも......彼はどこにもいない、夢みたいな青い花も、彼と消えた......。私はそのまま、ただ一人ひとりでその場所ばしょから親戚しんせきいえに帰ります。






  * 幻像【げんぞう】






  私も画の下に幻想げんそうみたいな単語を書きました。




  ( ......ただの夢か? )




  私はスケッチブックを閉じた、そして、《日本単語N3 /日本單字N3》と《日本の歌を歌う~あなたはできる!/唱日本歌~你可以的!》本の下にいて、そのままでテーブルの上にています。




  ( ......現実げんじつじゃないか? )




  「しも......この希望きぼうはいつかかなうならば......」そう思って。




  「 会えるといいな......」そう願って、意識いしきがどんどん黒いの世界にんでいた。







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