かぶきの女

おたけ

第1話 

すべてはあらしのれんぞくだった。くらい夜の中、強い風がふき、雨がふきあれる。

そんな出会いではじまり、いつも、晴れ間がなかった。なのになぜ、そんな出会いに、夢中で、突き進んでいったのか、今はわからない。

私はトラウマで、母に育児放棄され、母親は、いつも雨戸を閉めっぱなしにして、いつも、くらい部屋の中、いつもねていた。父親が、毎日、タクシーをしながら、ごはんをつくりにきたり、べんとうをつくってくれたりしてくれた。

母はいつもおかしかった。のちに、母が精神がおかしい、せえしん分裂をもっていることを福祉の仕事をするようになってから、わかることになった。父親が作ってくれたごはんや、べんとうをすてたこともよくあった。母がたべるものをすててしまい、ごはんにタマゴをかけたり、バターしょうゆでしのいだこともあった。父親が、タクシーで同級生の親を乗せたり、しながら、うちの子と遊んでやってと、友達に声をかけ、友達は遊びに来てくれる。母親は、いつもそれをおっぱらう。

ぼくはそして彼女と自分のトラウマを合わせていた。


かずみはお酒を飲んでいないときはとってもやさしい人で、とってもいい人だ。出会ったとき、かずみはすごく疲れている生活をしていた。病気のことも聞いた。バツイチのことも聞いた。

水・風で身体を張り、一人16からがんばり、自分で学校を出た。一人で子供を見てきたことも聞いた。すべて聞いた。かずみは家のことは、家事は不得意の人で、家の中もすごかった。ぼくは女ぎらい? 女が苦手? なほうなのに、気を許してしまった。この人と一緒になり、この人を助けてあげたいと思えて、一緒になった。


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