2,初期ステータス(半分設定資料回)

 ▼


 荒野に飛ばされた僕達は、皆で状況を確認する。

 やはり最初に発言したのは、名門高校生。

 彼は勇者に選ばれただけあり、頭の回転も速い。

 すぐさま皆の無事を確認する。


「皆、無事か?」


 その言葉に各々「ええ」であったり「おお」だったり返事を返す。


「良かった…皆無事だな…」


「ここは何処かしら?」


 一人の少女がそう呟く。

 少女は聖女に選ばれた秋月 まりあ。

 栗色の髪を腰の辺りまで伸ばし、利発な顔立ちをしている。


「恐らく、さっきの神が言っていた世界だろう。

 それよりも、皆自己紹介を先に済ませないか?

 これからの事を相談するべきだと思うんだ」


 勇者に選ばれた青年、神野くんがそう提案する。

 流石にその提案に対して異を唱える者はいなかった。

 まずは言い出しっぺの神野くんから自己紹介をする。


「皆初めまして、俺は神野じんの 輝勇こうゆう

 あの神様から勇者の職を授かった。

 ステータスはこんなところだな」


 そう言うとステータスを可視化して皆に見せる。


----------------------------------


神野じんの 輝勇こうゆう ♂ 17歳

職業:勇者

スキル:勇者の証(悪しきモノに与えるダメージが10倍になり、ピンチになればなるほどステータスが上昇する)

スキル:聖剣召喚(聖剣を召喚できる。ATK・DEF・SPD×10)

Lv,1    EXP:0 /100

H P:120 M P:80

ATK:85  DEF:70

MAT:40  RES:50

SPD:20  TEC:30


----------------------------------


「まだ経験値を得てないから、初期ステータスって感じか…」


「次は私ね。

 私は秋月 まりあ。みんな宜しくね

 私の職業は聖女だって。聖女なんて言われてもしっくりこないけど…

 とにかく宜しくね。 あそだそだステータス」


 そう言ってステータスを可視化して見せる。


----------------------------------


秋月 まりあ ♀ 16歳

職業:聖女

スキル:女神の祝福(聖なる者には祝福を、悪しき者には滅びを与える追加効果がつく)

スキル:聖杖召喚(聖杖を召喚できる。MAT・RES×10)

Lv,1    EXP:0 /100

H P:80  M P:200

ATK:15  DEF:50

MAT:100 RES:90

SPD:15  TEC:10


習得魔法

キュア・ヒール


----------------------------------


 あ、僕と同級生かな…

 僕がそんな所に注目していると、一人の男が感慨深げに呟く。


「流石、勇者と聖女と言った所か…

 初期ステータスでもなかなかの物だな」


 そう言って感心すると、表情を変え、皆に自己紹介する。


「あ、自己紹介しよう。

 俺は田中 太一だ。 よろしく頼む。

 空手を習って居たからだろう。職業は闘士だった」


 そう言ってステータスを可視化する。


----------------------------------


田中 太一 ♂ 25歳

職業:闘士

スキル:闘神(反応速度向上。拳圧での攻撃付与)

スキル:闘拳召喚(闘拳を召喚できる。ATK・SPD×10)


Lv,1    EXP:0 /100

H P:150 M P:20

ATK:75  DEF:60

MAT:10  RES:30

SPD:30  TEC:45


----------------------------------


「オイオイそんな事より、なんでお前たちは英語がそんなに流暢なんだ?

 お前たちみんな日本人だろ」


 そこに、ブロンドの髪をした長身の男性が、そのやり取りに水を差す。


「何を言ってるんだ?

 俺たちはずっと日本語で話してるぞ

 それより君の方こそ、流暢に日本語を話すじゃないか」


 そう返したのは田中さんだった。

 そのやり取りに皆、疑問符を浮かべる。

 そこに、まだ名乗っていない、黒髪の少女が話しに割って入った。


「ちょっとまって! 私にはみんなが中国語でしゃべってる様に聞こえるわ」


 その話を纏めるべく、神野くんが推論を話す。


「恐らく、あの神様の仕業だろう

 何らかの方法で言語変換がされている。

 俺達と現地の人とのコミュニケーションに、支障をきたさない為の処置だろう」


 その説明にブロンドの髪をした男は「なるほど」と納得する。


「ああ、紹介が遅れた。

 俺はケント・エリンズ。アメリカ人だ。

 日本に旅行に来てたんだが、気がついたら巻き込まれていた。

 神からもらった職業は、賢者だったか…

 ステータスはこんな感じだな」


 そう言うとステータスを表示してみせる。


----------------------------------


ケント・エリンズ ♂ 22歳

職業:賢者

スキル:叡知の鏡(対象のステータスを見る事ができる。また、相手の攻撃を解析する事が可能)

スキル:賢者の杖召喚(賢者の杖を召喚できる。MAT・RES×10)


Lv,1    EXP:0 /100

H P:100 M P:180

ATK:20  DEF:60

MAT:110 RES:95

SPD:15  TEC:15


習得魔法

ファイア・ヒール


----------------------------------


「お前もアメリカ人か。

 俺もだぜ」


 そう言って名乗り出たのは、筋骨隆々のアフリカ系アメリカ人。


「俺の名前はブライアン・マクレーガー。

 アメリカ軍人だ。

 職業は大剣士。銃が無いのが不満だが、こればかりは仕方ない。

 ステータスはこんな感じだ」


----------------------------------


ブライアン・マクレーガー ♂ 24歳

職業:大剣士

スキル:神撃(極大威力の一撃を相手に与える破壊力特化のスキル攻撃)

スキル:大神剣召喚(大神剣を召喚できる。ATK×20)


Lv,1    EXP:0 /100

H P:180 M P:10

ATK:120 DEF:60

MAT:10  RES:20

SPD:15  TEC:30


----------------------------------


「私はリサ・キャンベルよ。 二人と同じアメリカ人

 ステータスはこんな感じかしら」


 そう言って完結に自己紹介を済ます。


----------------------------------


リサ・キャンベル ♀ 18歳

職業:剣士

スキル:神速(慣性の法則を無視した行動が可能)

スキル:細神剣召喚(細神剣を召喚できる。ATK・DEF・SPD×5)

Lv,1    EXP:0 /100

H P:100 M P:60

ATK:70  DEF:70

MAT:30  RES:50

SPD:90 TEC:40


----------------------------------


「じゃあ、次は私かな…

 私はそん 燐麟りんりん。中国人よ

 職業はアサシンだって。アサシンってなに?」


 燐麟さんは、自分で言ってて理解していなかった見たいで、皆に首を傾げて聞いている。

 小柄な体系で、まだあどけなさが残る。


「まぁいいや、ステータスはこんな感じだよ」


----------------------------------


そん 燐麟りんりん ♀ 15歳

職業:アサシン

スキル:絶影(影を渡る事ができる。また、影が追いつけない速度で移動、短距離ワープが可能)

スキル:神短剣召喚(神短剣を召喚できる。ATK×5 SPD・TEC×10

Lv,1    EXP:0 /100

H P:60  M P:30

ATK:50  DEF:50

MAT:20  RES:35

SPD:120 TEC:50


----------------------------------


「次は俺がしよう。

 わん 志偉ジウェイだ。台湾人だ。よろしく頼む」


 そう言うと無言でステータスを表示する。


----------------------------------


わん 志偉ジウェイ ♂ 26歳

職業:槍弓士

スキル:空撃(攻撃範囲を自由自在に操れる※ただし視認できる範囲まで)

スキル:神槍・神弓召喚(神槍と神弓を召喚できる。神槍=ATK・DEF×5 神弓=ATK×10)

Lv,1    EXP:0 /100

H P:90  M P:30

ATK:70  DEF:75

MAT:20  RES:50

SPD:20  TEC:30


----------------------------------


「後、自己紹介してないのは私たちで最後かしら?

 私は笹峰 志保。

 職業は結界士ね」


 そう言ってステータスを表示する。


----------------------------------


笹峰 志保 ♀ 23歳

職業:結界士

スキル:時空結界(鉄壁の結界魔術を発動できる)

スキル:神玉召喚(神玉の召喚できる。MAT・RES×10 MPを貯めておく事が可能)

Lv,1    EXP:0 /100

H P:50  M P:120

ATK:10  DEF:50

MAT:70  RES:150

SPD:10  TEC:15


----------------------------------


南川みなみかわ 榛名はるな。魔導師」


 そう簡素に言ってステータスを表示する。

 かなり人見知りなのか、すごく無口だ。


----------------------------------


南川みなみかわ 榛名はるな ♀ 19歳

職業:魔導士

スキル:魔法神の加護(全属性・全魔術に適正があり、魔法の威力が上がる)

スキル:魔導の杖召喚(魔導の杖を召喚できる。 MAT・RES×20)

Lv,1    EXP:0 /100

H P:60  M P:200

ATK:10  DEF:50

MAT:130 RES:100

SPD:10  TEC:10


習得魔法

ファイア・ファイアアロー・アイスアロー・アースバレット・アクアバレット・エアカッター


----------------------------------


 そして、僕以外の最後の一人がアタフタとしながら自己紹介をする。


「あ、あのっ、はじめまちて!」


 あ、噛んだ… 見る見る顔を赤くして慌てる。

 うん。なんか可愛い。


「えっと、あの、宮眞みやま 癒音ゆね です。

 よろしくです」


 そう言うと、テンパッテりながらステータスを表示する。


----------------------------------


宮眞みやま 癒音ゆね ♀ 13歳

職業:治癒士

スキル:癒しの奇跡(どんな傷や病も治してしまう)

スキル:身代わり人形召喚(身代わり人形を召喚できる。DEF・RES×10

Lv,1    EXP:0 /100

H P:30  M P:130

ATK:5   DEF:80

MAT:75  RES:80

SPD:10  TEC:5


----------------------------------


 彼女は僕達の中で最年少の様だ。

 次は僕の番だな。そう思って自己紹介する。


「えっと、僕は草壁 おかば 16歳です。

 職業は聞かなかった事にしてください」


 そう言いつつ僕はこっそりと自分のステータスを確認する。


----------------------------------


草壁くさかべ 男鹿馬おかば ♂ 16歳

職業:変態チート

スキル:脱衣アーマー(脱げば脱ぐ程、ステータスが上がる ※全裸時はほぼ無敵)

スキル:モザイク召喚(モザイクを召喚する。 特に意味は無い)


変態指数:1    変態ぽいんと:0 /100

えっちピー:13  えむピー:13  えすピー:13

攻め:13  受け:13

すピーど:13  てくにっく:13


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 僕はそれを見た瞬間、ステータス画面を地面に叩きつけた。


 あの糞女神め、何だよ表記が他の11人とまるで違うじゃないか!

 だいたいレベルじゃなくて、変態指数ってなんだよ!

 変態ぽいんとって何よ。そもそも「ぽいんと」が何でひらがななんだよ!

 それからピーだけカタカナにするな! 僕だけSPがあるって意味不明なんだけど

 そもそもMATとRESは何処行った!

 表記が一々卑猥なんだよ!

 スキル:モザイク召喚とか意味のないスキル…いや、変態だから必要なのかしらないが、おちょくってるのか!

 そもそも数値が適当すぎるだろ!

 全部つっこんだら疲れるわ!


 僕は一人、膝と手を突いてうな垂れ、神を呪った。

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