第28話 太陽系内地戦。その5
「み、ミノル君が⋯⋯ぐ、軍大⋯⋯?ら、ラノン君。冗談を⋯⋯」
ペッパーさんはラノンの一言にとても
「冗談じゃないですよ。なぁ、ミノル」
ラノンはそう言ってこっちを見てくる。
「⋯⋯」
正直にペッパーさんには⋯⋯、というかここの隊員には俺が軍大出身という事は知られたくなかった⋯⋯
確かに別に大して重要では無いが、これから共に戦う人間との関係がギスギスするのは避けたかったし、そもそも俺は軍大中退。誇れる事では無い、むしろ任官から逃げた。いわゆる裏切り者でもあるからだ。
「ミノル君⋯⋯?」
ペッパーさんはずっと黙っている俺を優しく呼んだ。
ペッパーさんが俺が軍大だから嫌い、とか言う人間では無いとは思っている。ただ、CICにいるのはペッパーさんだけでは無い。他の隊員は軍大出身の人間をよく思わないかもしれない⋯⋯
そう思うと俺はどうしても自分から軍大出身という事実を言う事が出来なかった。
すると
「確かに⋯⋯、ミノルは軍大出身の人間だ。俺の後輩であり、軍大では優秀な人間だった」
ダミオスさんがカミングアウト。
ペッパーさんはダミオスさんが言うのだから本当に俺が軍大出身の人間だと信じたのか、急に黙り込んだ。
「すいません⋯⋯、黙ってて⋯⋯」
正直それくらいしか言えなかった。
「⋯⋯いや、それは有難い。」
黙り込んでいたペッパーさんがいきなり口を開いた。
「確かにミノル君が軍大出身と言うのは驚いたけど、思い当たる節はある⋯⋯。むしろ今はとても心強い味方じゃないか」
ペッパーさんはそうですよね?という素振りでダミオスさんの事を見る。
「ああ、その通りだ」
ダミオスさんはそう言って俺の方を見る。
「おい、ミノル。ラノンと一緒に艦載機に乗れ」
周り、特にペッパーさんの対応に少し安心した俺だったが、ダミオスさんの言う事にすぐ疑問を感じた。
「ラノンと⋯⋯?」
ラノンは軍大出身の人間ではないぞ⋯⋯?
「そうだ」
「ダミオスさん、了解です。ミノル、先に行っとくぞ」
ラノンは席から飛び出して、ヒューッとCICを出て行った。
「え⋯⋯、ラノンも??俺1人じゃないんですか?」
俺はダミオスさんの命令をどうしても理解出来ない。
「ミノル君。確かにダミオスさんの言う通りだ。この
「いや、確かにそうですが⋯⋯」
ペッパーさんの言ってる事は確かにそうなのだが⋯⋯。そのペアがラノン??
「とりあえず行ってこいミノル。急がないとこっちまで敵が⋯⋯」
そんな会話をしている時にレーダー担当の隊員が声を上げた。
「レーダー艦載機探知!右90度、真っ直ぐ近づく!」
敵の艦載機が後方のこちらまで来てる⋯⋯という事は完全に陣形は乱れ、混乱状態を意味する事だった。
「くそっ、対空戦闘、近づく目標!SM-2攻撃はじめ!」
ペッパーさんが選んだ艦載機への攻撃方法は『SM-2』
いわゆる誘導ミサイルである。
艦載機自体はあまりスピードが速くないが
そこで艦載機対応には
「SM-2発射よーい⋯⋯」
ミサイル担当の隊員達がタッチディスプレイを操作する。
「用意良し!」
隊員がボタンに手をかざし。
「撃てー」
ボタンを押す。
「
「SM-2正常飛行!」
ペッパーさんが少し息をついて、こっちを見た。
「ミノル君⋯⋯。頼む⋯⋯」
俺はその一言を聞いた後、覚悟を決めた。
「分かりました⋯⋯」
★ ★ ★
どうも斑雪です。
私の自主企画イベントへ参加して頂きありがとうございます!!
これから下は説明なので興味無い人はとばしてください。
【SM-2】
スタンダード・ミサイルの1つです。
『注意』現在(2019年)に使われているSM-2とは全くの別物です笑
レーダー誘導が出来るミサイルです。
沢山モデルが有り『SM-1』から『SM-4』まであります。
『SM-1』古いミサイルで、宇宙空間用のミサイルの中でかなり使われていた名作です。
ただ、もう古いので地球艦隊ではだいたいが『SM-2』に変更されています。
『SM-2』古くもないけど新しくもないミサイルです。器用貧乏的なミサイルですが、かなりの傑作で、大体の艦隊で使われてます。
『SM-3』超長距離仕様のミサイルです。
ただ、スタンダードなので⋯⋯、
『SM-4』
『SM-5』現在開発中のミサイルです。全体的に情報が無く。機密扱いの様です。
【成型炸薬弾】
弾頭の1つです。とても厚い装甲も貫けるやばい弾です。
硬い金属でもユゴニオ弾性限界を超える圧力に曝された時、液体に似た
これがかの有名なモンロー/ノイマン効果ってやつです。
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