第17話 はじまり。その5

 レーダーに干渉体アンノウンが映ったのは30分前、それに第四艦隊の高速駆逐艦こうそくくちくかん緊急発進スクランブル、普通スクランブルにはパトロール艦を向かわせるのだが、現在は艦隊警戒度レベル4という警戒状態なので即刻攻撃出来る様にと高速駆逐艦が発艦し、高速駆逐艦が干渉体への領域侵犯警告を行った。ここで干渉体側がその警告を無視し急加速した事により、干渉体アンノウンエネミーとされ高速駆逐艦による威嚇いかく攻撃を行おうとした時、高速駆逐艦は敵から実攻撃を受けた。

 そして現在、第四艦隊主力部隊は外縁への応援に行っているという事で、周りの宇宙軍ステーション駐屯地が応援要請を受けている。


「これが現在の現状だ。」


 駐屯地に着いた俺とラノンは何故か『CDC』へすんなり入れられて、ダミオスさんから成り行き説明を受けた。


「で、俺たちはなんで呼ばれたんすか?」


 全くダミオスさんの意図が分からない。


「第四艦隊が外縁に機動艦隊まで持って行っちまったんだよ、敵のふねは恐らく戦艦バトルシップクラス、艦載機かんさいきせてるらしく第四艦隊の補助艦だけじゃどうも出来んらしい。んで、駐屯地のパトロール艦に応援要請が来てるんだが·····」


「だが?」


 変に言葉を止めたダミオスさんが俺の肩に手を乗せてきた。

 嫌な予感がする·····


「乗員が足りん。」


「は?」


 ダミオスさんの訳の分からない発言に俺は唖然とする。


「お前、軍大で宇宙空間航行と目標照準は習ってるだろ?確かあれは必修だよな。運転出来るのはいるんだが、照準の人間が足りないんだよ·····」


 尚更なおさら、訳が分からない。


「いや、いきなりですまんと思ってる、こんな内地の安全地帯は人員配置の優先度が低くてな·····予備役が入ってもパトロール艦すらまともに動かせないんだよ。」


 俺の嫌な予感は的中してしまったらしく、ダミオスさんの手は俺の肩をがっしり掴んでいた。


 ★ ★ ★


 どうも斑雪です。今回も今回とて短くてごめんなさい。


艦載機かんさいき

 ふね搭載とうさいされている戦闘機や攻撃機、爆撃機、偵察機のこと。

 有名な物で零式艦上戦闘機ぜろしきかんじょうせんとうきなど皆さん聞いた事が有るのではないでしょうか。






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