第2話 Birthday

私のアビリティはまだ出ない

いろんなアビリティがあるらしく

彼も手助けができないらしい


気分転換にと 彼は「誕生日」という

存在について 語り始めた

普通はその人が産まれた日が

「誕生日」になるらしい


けど 彼も私も産まれた日がわからない

だから彼なりの「誕生日」の日を

教えてくれた


それはアビリティが出た日

時にアビリティは牙を向く

それに耐えて 使いこなすまでの試練が

過酷だからと言った


彼の「誕生日」は7月8日

錯覚は夏なのに厚着だったり

冬なのに半袖だったり

とても大変だったらしい


私のアビリティが出る日が

楽しみでもあり恐怖でもあった

もし彼のお荷物になってしまったら

今度こそ生きていけないからだ


私は今を生きる術を持たず

まだ彼に頼らざるを得ないからだ


けれど依存はしてはいけないと本能が囁く

なぜなら 彼も私も人間とは言えないからだ


何かあった時

依存していると 何事も

逃げ遅れると終わるからだ なにもかも

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