俺からみれば普通の世界だが他者から見れば異世界なのかもしれない

保田 智紀

第1話 始まりの日

太陽の心地いい日差しが窓から差し込む朝。

聞き慣れた声で目を覚ます。

「おーい!セブン!早く起きろよー!」

外から俺の名前を叫ぶのは幼馴染のライルだった。

俺はいつもの様に寝ぼけたままリビングに向かい両親に挨拶を済ませ外に出るのであった。

ライルはいつもよりテンションが高く俺が家から出てきた瞬間、俺の腕を強く引き街に向かって勢いよく走りだした。

「おいっ!?ライル〜!まだねみぃんだよ。。起きてすぐ走らせるなよ〜。」

俺がそう言って立ち止まろうとすると

「お前!!今日がどれだけ大切な日なのか忘れたのか?今日から俺たちの冒険者としての新しい日常が始まるんだぞ!!」


……あぁ。そうだったな。俺たち今日から冒険者になれるのか。

この世界では15歳を迎えると

冒険者になるか農業、商業、鍛冶屋

など職業につけるのだ。いわば就職ってやつだ。


俺たちは7歳の時、街に襲来したモンスターを撃退した冒険者達をみて決めたんだ!この人達みたいにみんなを守れる職に就きたいと。

俺は眠たい目を擦りライルと街の中央部にある冒険者ギルドを目指した。

「はぁ…はぁ…流石に朝から疲れたぜ。」

俺は息を切らしながらそう言ってライルをみると


「なっ! ライルがいない……?」


実はライルは冒険者に誰よりも強い憧れを抱いていたので興奮のあまり先に建物の中に入っていたのであった。


「あの野郎〜。置いていきやがって」

俺は息を整えてから建屋に入った。


ガチャ


建屋に入るとなにやら一点に人が集中している場所がある。

「何事なんだ?ってかライルはどこだー?」


ライルを探していると奥からライルが慌てて走ってきて

またもや俺の腕を掴んで走り出す。

「おい。次はどこに………」

「セブン!やばいよ!やばいやついるよ!早く早くっ!」


そう言って連れてこられたのはさっきの人集りの場所だ。

なにがやばいのか渋々人集りの真ん中をみるとそこには

1人の少女と水晶があった。

その水晶の中に浮かぶ文字に人集りができていたのだ。


この水晶は手をかざすとその人の適正職がみれるのだ。

冒険者の職業はおもに


「剣士」「攻魔法師」「盾職」「守魔法師」「錬金術」


の5種類ある。


「剣士」は剣、刀、短剣などに特化している職。

最低限の自分にバフをかける事が可能。


「攻魔法師」は主に攻撃に特化した魔法が可能。

回復魔法や支援魔法は使えない。


「守魔法師」は逆に支援魔法や回復に特化しているが攻撃魔法が使えない。


「盾職」は主に盾を用いて仲間を守るタンク役だ。

シールド系の魔法にも特化しているため離れている味方にもシールドを付与する事が可能である。


「錬金術」は基本的に対価となる物があれば錬成し物を作る事に特化している。

回復薬や武器などの生成にも特化しているので戦闘向きではない。


そんな中彼女のかざす手に反応した水晶が表した文字とは……

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