第5話 神を信じる清らかな女性

昨夜、もう薬を飲んだせいか


また、めちゃくちゃな事をした。


と言ってもバーチャル空間での例のクダラナイ、人間達との間で。


と言う私も、彼等に、彼等の存在に頼っているから。


同じ、自業自得、なのだ。


3年前、あるコミュニティで出逢い


外人さんだと最初思う程


日本人離れして、女性に紳士的で


平和を訴えて居た、彼。


ボロボロだった私は、禁忌と分かって愛を求めた。


でも優しい言葉で、いつも彼は機械上の優しい言葉で


私を、宥める。「君には似合わないよ」と。


でも身体を求めてきたのは、誘ってきたのは彼だった。


私も承知だったけど。


でも家族のいる人との関係は、それも滅多に会えない関係は


私を苦悩と狂気の底へ、突き落とした。


家族の愛に恵まれず、彼と同じ恐らく冷えた家庭で育った私には。


神に縋ろうと悩む私に彼は


「宗教なんて信じちゃいけないよ。」と、優しく。


そして、恐らく真実に限りなく近い形で彼は


クリスチャンの、女と、いつもの優しい、でも


見え見えの嘘を、私に吐きながら


その女と共に、その女が得意げに幸せそうに


私を、やはりその優しい刃で、引き裂き憎悪で塗れさせる方法で


私を、嘲笑っている。愛し合っている。

心の奥底で燃やしている、私への憎悪を


婉曲な、優しく憐れんで、諭す様な言葉と

彼と逢っている事を、わざわざ皆に、私に教えている様な


誰宛てともない、その仮想空間で、

計算高く、巧妙に、ハートの浮かぶコーヒーカップと

行き先を告げる一言を


通して。


美しく贅沢な楽園で、私とは比較にも、ならない幸福な逢瀬をし

抱き合いながら。何度も何度も。


私は,昨夜、ぼ~っとしながら薬の効いた頭で


疲れ切った頭で


あなた、という、そういう類の優しさと愛を持つ

人達と、もう、さよならしたくて


滅茶苦茶に、した。


もう、いいと。


真実が、嘘に塗れて、正体を巧妙に隠す世界等。


神の愛、等。


優しさ、等。


嘘の世界で、不自然なまでに美しく、彩られた物等


信用に値しない、汚泥に塗れた物は、ないのだと


愚かにも、また同じ傷を自ら抉って。

また、知った。


そして私も、また

唯の、愛に限りなく餓えた


かよわき、「愚かな」

とても「愚かな」

「小羊」

なのだと。

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