まさか、この私が敗れるとは!(演技)と捨て台詞を残してから300年、魔王な俺が新人冒険者になったワケ

作者 藤谷ある

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★★★ Excellent!!!

倒しても倒しても繰り返し魔王城を襲撃してくる勇者にうんざりした魔王様。不老不死なので死んで終わらせることもできず、勇者を撃退してもまた新たな勇者が現れて結局いたちごっこに。しかしこの日の魔王は、あるアイデアを閃いた。死んだふりをしてそのまま自分の存在を世間から忘れさせればいいのだ!

そうして勇者にやられた振りをしてそのまま眠りについた魔王。それから300年が経ち、再び目覚め新たな人生を歩むことになった魔王の最初の目標。それは素敵な一軒家を買うことだった!

ずいぶんと庶民的な目標を持つ魔王様だがその力は桁外れ。上手く世間に溶け込もうとするのに、つい強すぎる力を見せすぎてしまったり、妙に尊大な口調になったりして、世間からは変人扱いされるし、そんな彼の周りに集まる者も肌が真っ白なのに自分がダークエルフだと主張するエルフや勇者なのにステータスに0が並ぶ才能0の少女など変人ばかり。けれど、そんな変わり者も引き受けちゃうのが、元魔王の度量の広さ。

テンポのよい掛け合いと魅力的なキャラクターの力もあって、すいすい読み進められる作品です。


(「いろいろな魔王」4選/文=柿崎 憲)