彡(゚)(゚)「クラスの女の子が自殺したんやが」

ざわざわ


先生「えー聞いての通り昨日,夕方田中が本校の屋上から飛び降りた」

先生「警察の捜査で話聞かれることとかあるからしっかり喋るように」

女子「部活のいじめらしいね」ヒソヒソ

男子「俺らには関係ないな」


彡(゚)(゚)「………」


警察「やきう君授業中に申し訳ないね」

彡(゚)(゚)「いえ全然……」

警察「昨日の放課後居残ってたそうだね、田中さんには会った?」

彡(゚)(゚)「あ,はい.ワイは日直の日誌書いてて」

警察「……となると田中さんと最後に会話したの君になるね」

彡(゚)(゚)「そ,そうなんですか」


警察「話とかした?」

彡(゚)(゚)「はい」

警察「どんなこと話してたか教えてくれないかな?」

彡(゚)(゚)「えーと」



教室


彡(゚)(゚)「……」

彡(゚)(゚)(あれ,誰か来るんやないかまずい)

ガラっ

田中「あっ」

彡(゚)(゚)「……」ビクッ


田中「まだ残ってたんだ,何してたの?」

彡(゚)(゚)「え,あ,ああ.日誌書いてた,日直の」

田中「……ふーん」


田中「なんて書いたの?」


彡(゚)(゚)「今日は雨で,体育館も埋まってたから体育がなくなりましたって」

田中「……」

彡(゚)(゚)「た,田中さんは何しに来たの?」

田中「んー想い出巡り?」


田中「冗談冗談,体操服を取りに来たの」

田中「体育なくなったから置きっぱにしようと思ったけどやめたの」

田中「それじゃーね」

彡(゚)(゚)「じゃ、じゃあ」




彡(゚)(゚)「こんな感じでした」

警察「うーん何か自殺する前とは思えないね」

警察「他に何か呟いてたりしてなかった?なんでもいいからさ」

彡(゚)(゚)「あ,あの『助けなきゃ』って言ってた気がします」

警察「ほう?」


警察「じゃあこれで終わり協力ありがとう」

彡(゚)(゚)「は,はい失礼します」

彡(゚)(゚)「……ふー」


DQN「おいやきう」

彡(゚)(゚)「」ビクッ


DQN「お前俺たちにいじめられてること警察にチクったりしなかったよな?」

彡(゚)(゚)「し,してないで」

DQN「お前ちゃんとあの日日誌書いたんだよな?」

彡(゚)(゚)「書きました書きましたそのことも言ってません」

DQN「本当だろうなおい,お前が書きたいって言ったんだからな」ボコッ

彡(゚)(゚)「ぐえ」



葬式の日



坊主「南無妙法蓮華経~」

女子「」ぐすっ

男子「………」

彡(゚)(゚)(流石に葬式ぐらいはみんなザワつかないか)


彡(゚)(゚)(……)

彡(゚)(゚)(あの日,田中は別れ際,確かに助けなきゃって言った)

彡(゚)(゚)(あれはワイに対してやと思ってる)

彡(゚)(゚)(田中はあの日ワイが本当は日直でないことに気づいてたんや)

彡(゚)(゚)(だから普段会話しないけどあんなこと聞いてきたんやな)


彡(゚)(゚)(田中はワイがいじめられてることに気づいてたんや)

彡(゚)(゚)(だけどまさかその田中が自殺するなんて)


田中の親友「」ぐすっ


彡(゚)(゚)(……田中いつもあの子と2人でおったな)

彡(゚)(゚)(数少ない友達やったんかな)

彡(゚)(゚)(あの子もクラスじゃワイと同じでいじめられてるよな)

彡(゚)(゚)(……)



次の日


田中の親友「」かきかき

彡(゚)(゚)(あれはもしかして他のやつの分までノートとってるんやないか?)

彡(゚)(゚)(……田中は助けなきゃって言ってくれたしなぁ)


彡(゚)(゚)「な,なぁ」

田中の親友「」ビクッ

彡(゚)(゚)「ワ,ワイも手伝うで」

田中の親友「え」


女子「ねぇ次の授業地理なんだけど教科書忘れたからさー貸して?」

田中の親友「え,そしたら私の分がなくなる……」

女子「サンキューサンキューじゃーねー」

田中の親友「あ……」

彡(゚)(゚)「……」


彡(゚)(゚)「あ,頭痛くなってきたわーこれ次の地理受けられないわー」

彡(゚)(゚)「あ,これ教科書貸すわ」

田中の親友「え?」

彡(゚)(゚)「保健室行ってくるから先生に伝えといてくれー」

田中の親友「……」



彡(゚)(゚)(この一週間で結構田中の親友のこと助けたが)

彡(゚)(゚)(これなんか意味あるんやろうか)

彡(゚)(゚)(せめて会話ぐらいしてみたいわ)


田中の親友「あ,あの」


彡(゚)(゚)「!?な,なんや?」

田中の親友「ど,どうしてやきう君は私にかまうの?」

彡(゚)(゚)「え,い,いや」

彡(゚)(゚)(言えないよな―さすがに)

田中の親友「田中さんに何か言われたの?」

彡(゚)(゚)「い,いや別に」


田中の親友「で,でも最後に会話したのやきう君だって」

彡(゚)(゚)「た,大したこと話してないで」

田中の親友「あの日やきう君は放課後何してたの?」

彡(゚)(゚)「日誌書いてたんや」


田中の親友「で,でもみんな日誌なんて真面目に書いてないよ」

田中の親友「すぐ書き終わるのになんであんなおそくまで残ってたの?」

彡(゚)(゚)「い,いや」

田中の親友「しかもあの日日直じゃないし」

彡(゚)(゚)「それはいじめられてて」


田中の親友「でも自分から書きたいって言い出したらしいし」

彡(゚)(゚)「そ,そうじゃないと殴られるんや」

彡(゚)(゚)「DQNが日直の日はワイが書くことになっててな」

田中の親友「……ここに日誌があってね」


田中の親友「前回はDQNくんちゃんと日誌書いてるよ」


彡(゚)(゚)「」


田中の親友「あのね,やきうくん」

田中の親友「田中さんが死ぬ前にねラインくれたの」

田中の親友「あの子部活のいじめですごく鬱になってて」

田中の親友「……ずっと死ぬ死ぬ言ってて本当に死んじゃって」


田中の親友「でも死ぬ前は私に悟らせなかったんだよ?」

田中の親友「だって最後のラインが」



田中の親友「体操服を置きっぱにしちゃいけないって」

田中の親友「やきう君に気をつけろって」


彡(゚)(゚)「」



田中の親友「最後の会話があんなので心底腹立つし」

田中の親友「あの日やきう君が残って体操服で何してたかしらないけど」

田中の親友「もう私にはかかわらないでね」スタスタ


彡(゚)(゚)「………」





彡(゚)(゚)「やっぱりあの時田中に見られたのか」



おしまい

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