サシブミ記録集 Vol.1より抜粋——<佐多椋×水池亘>

佐多椋

サシブミとは

■「サシブミ」は文芸でもあり、遊戯でもあり、超短編でもあり、大喜利でもあり、実験でもあります。■


 サシブミは2人のプレイヤーによって行われる、1対1の対戦型文芸遊戯です。

 対面のうえで対戦することも可能ですが、基本的にはWebを介して対戦することになるでしょう。


 もっとも簡単に流れを説明すると、

1.文章を相手に《提示》する

2.その文章をもとに新たな文章を相手に《提示》する

 という繰り返しを繰り返すことで進行していきます。


 サシブミの経験回数が少ない者が先攻となります。

 判定者がいる場合は、判定者が「文章」を提示します。これは0手目となります。

 判定者がいない場合は、先攻は「文章」を対戦相手に提示します。これは1手目となります。

 《提示》は1分以内に行わなくてはいけません。これらにペナルティはありませんが、違反があった場合は、そのことがゲーム中に明示されなくてはなりません。後述する判定者はそのことを評価の基準としても良いですし、しなくても問題ありません。ただ「違反した」という事実だけが明示されます。また、これらのカウントは基本的に判定者によって行われます。

 先攻(判定者がいる場合)または後攻(判定者がいない場合)はその文章をもとに、1分以内に新たな文章を《提示》します。

「その文章をもとに」とありますが、《提示》された文章の一部を引用したり、あからさまに繋がりを示唆したりする必要はありません。

 それどころか、端から見たときにまったく関係のないように見えても問題ありません。あくまで《提示者》自身のなかでつながりがあればよいのです。つまり、この点においてルール上一切の縛りはありません。


 ここまでで再び遊戯中の流れを説明します。

1.文章を相手に《提示》する

2. 1分以内に、その文章をもとに新たな文章を相手に《提示》する。


 これをそれぞれ25手、計50手繰り返したところでゲームが終了します。

 判定者による0手目はこれに含まれません。


 対戦型の遊戯としてもっとも重要な特徴は、勝者の判定が2度行われるということです。

 それらを総合して勝者が決定するわけではなく、2度の判定が行われ、それごとに勝者が発生します。


1.判定者による判定(判定者がいる場合)

対戦者以外に存在する《判定者》が勝者を判定します。

判定者は寸評を残します。


1-1.対戦者による判定(判定者がいない場合)

対戦者が互いの文章に3点満点で点数をつけます。合計点数の高い対戦者が勝利します。

お互いの点数は記録され、判定者による寸評の代替となります。


2.読者による判定

対戦後作成される記録集の読者が、読後に勝者を判定します。


 読者による判定が行われた時点で、その読者を判定者とした1ゲームが終結します。

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