酩酊の宵の未来





所詮似たもの同士の寄合

外界では太刀打ちできない

自身の微かな傷を舐め合い

自身の些細な自慢を褒め合い

それだけで生きるに値すると糧を飲み合い

僕らの狭い世界を分かち合い

背を向けた世界へは帰れない



それでも手離せない何かが

僕らにはあるのだと信じたい

その何かで灯した松明を掲げ進み続ければ

いつかは光に辿り着けるのだと信じたい




僕らは行きたい

本当は行きたい

ここではないどこかへ行きたい


僕らは生きたい

もっと生きたい

ここではないどこかで生きたい




そうして辿り着いたその場所で

走り切ったと笑い合って眠りたい


そう言って泣いて笑った今宵の酔いも

無駄ではないんだと僕は信じたい





そうやって越えてきた夜の数々に

無駄などひとつもなかったんだと

今、僕は歌いたい










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