ことばは鮮やかなうちに




血は流れ出るも

時が経てば

その鮮やかさを失い

黒い塊となってこびりつく


言葉も似たようなもので

時が経てば

その鮮やかさを失い

霧となって消えてしまうのです


例えどんなに素晴らしい言葉だとしても

時が経ってしまえば

霧となって消えてしまうのです



詩を紡ぐというのは

そんな刻一刻と鮮度を手離していく言葉を

どうかと腕を伸ばし手を広げ

指の隙間から滑り落ちるその前に

掴み取り包み込み 

温めたり冷ましたり

並べたり放り投げたりして

白い紙に連ねていく

そうやって無事に文字となって

紙に染みつくことができた言葉たちだけが

詩となり巣立っていくのです



言葉が浮かび上がってきた時は

時間との勝負ですので

すぐにメモに残すのです

見失ってしまう前に

文字という身体を形作り

詩という服を纏わせるのです


なので時々取り憑かれたように

紙かスマホの画面に

しがみつくことがありますが

こういった理由がありますので

どうか気にせず

放っておいていただけますと

ありがたいです


そして

無事に詩となった時には

一度だけでも構いませんので

読んでいただけますと嬉しいです




僕はこんな人間ですが

どうかこれからも

よろしくお願いいたします。







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