大好きだったぬいぐるみ




ずっと一緒だった

でも大人になるにつれて離れてしまった

気がついた時には忘れていた

部屋の隅に追い寄せられて

見えているのに

見えていない

そんな存在にしてしまっていた君を

いざ手離そうという時になって

寂しくなって

悲しくなって

どうしようもなくて

別れ際には涙も出てきて

ずっと一緒にいたあの日々を

その中で抱いていた大切な思いを

あの温もりを

思い出を

走馬灯のように思い出して

やっぱり離れたくないなんて

自分勝手な感情が溢れてきて

でもきっと

連れ戻してもまた同じことの繰り返し

だから

だから

大人になってしまった僕は

もうきっと君を大切にし続けてあげられないから

だから

だから


さようなら


ごめんね

ごめんね


最後まで大切にできなくて

愛してあげられなくて


ごめんね

ごめんね


ありがとう

ありがとう


一緒にいたあの日々は

かけがえのない思い出だよ


ありがとう

ありがとう


ごめんね

さようなら




さようなら



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