享年----一年
『おはようございます、そしてこの美味しそうな匂いはなんですか』
「おはようございます神さま、朝ご飯は 味噌汁と玉子焼きですよ」
『貴方でしたか、そう言えば昨日も作ってもらいましたが。 キッチンも無いのにどうやって?』
「念じたら生えてきましたよ」
『何故..、そしてキッチンが生えてきて驚かなかったんですか』
「二回も転生すれば大抵の事には驚かなくなりますよ」
『その二回合わせて20秒ぐらいですけどね』
「これは、痛いところを突かれましたねHAHAHA」
『何笑ってるんですか、しかも一面真っ白な空間だったはずなのに、快適な一軒家になってるし』
「俺の建築センスも捨てたものではないですね」
『貴方がなぜ一晩で私に気付かれずに家を建てられたのかは今度聞くとして、まず冷めないうちに朝ご飯を頂きましょうか』
「そうですね、いただきましょう」
「『いただきます』」
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『ごちそうさまでした、しかし昨日も思いましたが料理上手いですね』
「ありがとうございます、実は俺は昔シェフの霊に取り憑かれたことがあるんですよ」
『どこの冬空コガ○シですか、そんな設定を追加してもラッキースケベは起きませんよ、
第一、貴方の人生に霊に取り憑かれる場面なんて一度も有りませんでしたよ』
「勝手に他人の人生を覗くのはプライバシーの侵害では」
『死んだ後に法律も何もないでしょう、
何より前前前世の話ですし』
「その前世二つ合わせて20秒ぐらいですけどね」
『これは、一本取られましたねHAHAHA
と、言う事で転生行ってみましょうか』
「どう言う事ですか、しかし行きましょう」
『今回は魔王として世界に転生させてあげましょう』
「それ、勇者に倒されるじゃないですか」
『オプションで勇者の存在を消しておきましょう』
「それなら安心ですね、では行って来ます」
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『やはり、どうやって一晩でこんな立派な一軒家を建てたのか、分かりませんね』
「ただ今戻りました」
『戻りましたか、今回は中々長かったですね
20秒に比べれば大躍進ですよ』
「まぁ、流石に開始数秒でリスキルされる事はありませんでしたからね」
『それもそうですね、で?今回はどうやって死んだんですか』
「はい、魔王として転生したのはいいんですけど、人類では勇者が突然消えたのは俺のせいという事になっていたんですよ」
『おっと、記憶を消し忘れていましたか』
「それでも俺は諦めずに人間との友好を築こうとしました、しかし人間は話を聞かず討伐隊を結成します」
『大丈夫だったんですか』
「大丈夫じゃ無かったので、俺もしょうがなく人類を滅ぼす為に行動を開始しました」
『貴方が異世界に行ってた時間一年ちょっとぐらいなんですけど、そんな事してたんですか』
「人間本気になれば大抵の事はできるんですよ」
『その時の貴方魔王でしたけどね』
「ともかく、魔王討伐隊に対抗する為に仲間を集め自分の力も高め、遂に人類との全面戦争が始まりました、しかし人類も人工的に生み出したクローン勇者軍団や、無理矢理能力を覚醒させられた隣の山田さんなどを投入してきて、戦いは熾烈を極めました」
『誰ですか隣の山田さん』
「しかし、長い戦いにも終わりは来ます。
両軍は疲弊しきり、最後は俺と山田さんの一騎討ちになりました』
『本当に誰ですか山田さん』
「山田さんは俺の家の隣に住んでた幻の武術の使い手ですよ」
『山田さんについての謎がさらに深まりましたが、とりあえず続けてください』
「戦いは三日三晩続きました、山田さんと俺は互いに幻の田中拳を使い戦いました」
『何故、山田さんと貴方が同じ武術を使ってるんですか』
「山田さんが月4000円で教室を開いてたんですよ、初めは赤子にすら手を捻られていた俺でしたが、戦争が始まる頃には山田さんと同等の力を手に入れていました」
『その武術、本当に幻だったんですか?』
「一応幻でしたよ、凄い強かったですし。
とにかく、最後にはお互いに奥義を使い僅差で俺が勝ちました」
『それなら、どうして死んでるんですか』
「全ての力を出し尽くし疲れ切っていたところで、赤子に手を捻られて死にました」
『やっぱり弱いじゃないですか』
「強かったですよ、西の俺-東の山田さんと言われている程でしたからね」
『せやかて貴方、それに貴方達お隣さんじゃないですか』
「とにかく、こうして俺は死んでしまいました」
『どうしても貴方がふざけているように感じるのは私だけでしょうか』
「至って真面目ですよ、とにかく田中拳も習得しましたし、次の転生先では死ぬ事はないですよ」
『不安しか感じないんですが、今日のところはそういう事にしておきましょうか』
そう言う事にした
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