第81話あまりに高度な戦いは説明が追いつかない、主に想像力の欠如と語彙力の足らなさによって



 どこの都市についてもまずは冒険者ギルド。だいたいカード提示でめっちゃ熟練スキルが有ることがわかってコンシュルジュが付くのですよ、おほほ。

 今回もそう、アブッダさんが付きました。男性。ちぇ。


「ということをサカキとサガットとブキョーの冒険者ギルド各個人の秘書箱宛に送ってほしいのです。」


「承りました。これはすぐにやっておきましょう。それで、遺跡およびダンジョンですが、古代の魔導機関が動いてるところがございますね。まずはそこをお勧めします。古代の品はやはり高価ですし、効能もよろしい。」


「おーそこが良いですね、行き方はどういう感じですか?」


「南に10キロ程度ですね。食人植物が居るのでお気をつけください、暑くても上半身の防具はしておいたほうが良いでしょう」


 10キロなら余裕で歩けちゃうね、ポーションなどの準備だけして、ギルド宿で寝て夜間に出発。ポニーも一緒だよ。




 オロロロロロロロロロ


 各種耐性がある私でもこれ見たら吐くしかなかったですわ。

 食人植物は食動物植物みたいで、色んな方法で捕まえた動物を溶解液でとかして食べるみたいです。『食人植物の恐怖』は読んでいたけどこれはキツイわ。

 溶けてる最中の動物の叫び声やら溶けちゃったあとの骨やら……オロロロロロロロロロ

 切り倒そうにも普通の人じゃ切り倒せないくらい茎が硬いらしいので、最大出力の空間圧縮超高速回転丸鋸ディメンションコンプレクスマルノコで切断を試み。切れましたね、スパッと。つええっすな、丸鋸。

 すごい量の経験値が入ってきた気がしますが、それも溶かされてきた人や動物の経験値なんだよなあと思うとなんか面白くないなー切ないなーと思いながらMPの続く限り経験値を採取し続けました。みんな私の糧になってくれ、てへ☆


 少し遅くなりましたが遺跡に到着!さあゆっくりと慎重に歩んで「一番やりでござるー!!」おっわあああああつっこんだあああああ!!そしてアラームならしたー!!


 出てきたのはなんかほとんど人間で剣を持った機械でした。ヤバイヤバイヤバイ、直感がヤバイって言ってる。

 私達でも逃げ切れる気がしないので(ケンスケが逃げないだろうから)オーブで援護します。いけっ!


 しゅぱぱぱぱぱぱぱぱぱぱ!!


 ぜ、全部切り捨てられた。

「ケンスケ、リアルでこれやばいやつだよ!」


「今宵の刀は血に飢えておる……」


 うお、いつもと調子が違う。とりあえず援護だ、速射砲ラピッドファイア!!


 しゅぱ!


 切るかー魔法を、魔法を切るかー。


 最後、空間圧縮砲弾ディメンションコンプレクスショット


 っす


 避けるかーこれ私ほとんど無力だ。一応魔孔剣などがございますが、あの剣速だと私じゃ負ける。太刀打ちできない。


 ケンスケしかいねえ。がんばえーケンスケ、ケンスケがんばえー!


「面白すぎるでござるな、参る!」


 でた、超高速の踏み込み!からの!


「ふん!」


 抜刀そして初撃!まじで本気で見ないと見えない!がんばえー!がんばえー!


 カキン!


 うっそ、止めた。横薙ぎだったから剣を縦に持って凌いだわ。


 カッカカッカッカ


 笑ってるよあの機械、笑ってるよ。意思でもあるのか。


 此処から先は凄い剣戟の応酬で何がどうなったかよくわかりませんでした。狐でもわからないことが、ある……


 とりあえず勝ったのはケンスケだということ。それでも着流しがぼろぼろだし出血もしてる。よくこの状態で勝ったわ。機械は出血しないからね……


「おつかれケンスケ、まず治療するよ!」


「拙者も、まだまだでござるな……」


「私なんて何も出来てないよ!はいこれポーション、出血止めの薬草もあるから貼り付けるよ。私が取ってきたし私がやれば効果アップだから。」


 血を止めたあとは上級生活魔法リペアで着流しの修復。上級覚えておいてよかったよ、普通のじゃ魔法の品物は修復できないもん。


 一通り済ませたら、ここで一度休憩することにしました。私のMPが持たないし、出血で血が減ってるから少しでも休まないと危ない。


 休んでる最中に機械を検分。高度すぎてわからないので早速買ったずだ袋に入れて持ち帰ることにしました。

 魔法の剣並の天心流兵法の一撃を受け止めた剣も、刃こぼれが激しいけど拾っておきました。

 刀は……研ぐか。魔法の品『研ぐで君』を使って自動研ぎ。根本に研ぐで君をセットすると自動で先端まできれいに研いでくれるすごいやつ。


「いやかたじけない、研ぐ道具を忘れてきてしまったのでござるよ」


「いやいや。これは魔法の品だからキーン・エッジが掛かった並に研げるからね」


 しかしオーブ10個壊されるとはなあ。補充効かないしちょっとまいった。まだ在庫あるけどさ。魔法ばかりじゃなくオーブも鍛えないと駄目だね。


 さて休憩が終わったのでアラームが鳴った部屋を物色。……そこかしこに骨が散乱してるの、全部この機械の仕業だろうね。こわいこわい


 まずは骨が抱えている剣とかリュックサックを漁るのが正当な冒険者だからね☆ いや、ほら?タグとかあるかもしれないし?


 金貨を数枚拾ってスクロールを何枚か、研げる君で手入れすればまだ使える武器などを拾……一時保管したあとは部屋の物色。


 怪しいブーツを発見。これも丁寧にずだ袋に。



 もうちょっと探索したいけど、血の減少が心配なんで、この部屋で数日間休んでから探索再開しまーす。食料はあるし、水もある。体はクリーンで十分でしょう。散らばってる骨は除去な。あ、ポニーのお世話しなきゃね。

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