第63話加藤奈月


 これでいい、これが良い。


 正直スキルLv9では限界に近づいていた。そりゃLv9はかなり凄い、でも敵もかなり凄いのだ。特にステータスの伸び悩みはどうにかなるものではない。MPだけあがってもしょうが無いのだ。


 何より、レイ様が国政で悩んで旅を楽しめないのは見ていて辛いものがあった。せっかく素晴らしいハイエルフの国に来たのに、ドワーフのたくましさに出会ったのに、レイ様はそれを見る余裕がほとんどなかった。

 どこかで必ず政治のことお国のことを考えていた。

 立憲君主にしてしまったし、もう君主が考えなくてもいいのに。それでもレイ様はやってしまう。

 レイ様は努力しすぎてしまうきらいがある。


 だから私が国政という重荷を背負うことにした。


 なに、国政なんて余裕だ。私には超幸運がついている。早速だがボロい飛行船を買い取れそうな商談が舞い込んできた。

 自国で飛行船を持つことが出来るのはかなり有利となる。ボロくてもドワーフの力を借りれば新品同様になるだろう。

 すぐに発着場を整備しなければね。超幸運なことにリザードマン部隊がいるから整備はすぐできそうだ。


 ラノベでは異世界転生してきたものはほとんどが主人公だが、私が思うに、私は絶対にその場所にはいなかった。

 常にレイ様のお側にいただけだ、主人公は確実にレイ様だ。


 主人公を徹底的に補佐する転生者、なかなか楽しいじゃないか、こういうのも。


 レイ様の国、つまり忠誠を誓った人の国のためにこのGIFTを使うのも悪くない。


 ありがとうレイ様、出会えたのは超幸運でしたよ。

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