第46話ドワドの武具遺跡
ドワドの武具遺跡
「ガントレットと魔石合わせて粗利は180金貨くらいかな」
「ガントレットが結構高く売れましたね。死んでもよい前衛を、一日の中での回数制限はあるものの無限に呼び出せるのですから、欲しい人は欲しいでしょうね」
「オークションに出すべきだったかねー。」
粗理180くらいでしたが、オバマダンジョンの収益は経費差し引いて150金貨くらいでした。ポーションが結構響いた。
150金貨でもブキョーだと600金貨相当かな。
シールドリングはオークションものらしいけど売りません。
「次何しようか。ダンジョンアンドダンジョン?」
「私はレイ様についていければ……」
「ならもうちょっと意思を示してよ」
「そうですね、では……貴族と近づいてみるのはどうでしょうか。国家主席みたいな効果が出るのでは」
「んー貴族は派閥争いが凄いから危ないかな。国王も跡目争いで派閥が……ウッ、頭が」
「そうですか、じゃあ伝説の品を取りに行くなどはいかがでしょうか」
「んー、なんかあったっけ」
「織田山の麓の遺跡に『バトルスーツ』なるものが保管されてるという話です。それを取りに行きましょうよ、観光も兼ねて。」
「あーそういうのガイドブックに書いてあったねえ。遺跡かあ、セントリーガン……ウッ頭が」
「実際はのんびり寝ていたいだけでしょうレイ様」
「バレたか。」
んまあ、遺跡は面白いので見に行くことにしましょう。どうも古代の武具製作所だったっぽいんですよそこ。
名前はなんだっけかな
「ドワドの武具遺跡ですね。」
だそうです。
この遺跡、今でも防衛機構が働いているのですが、外から眺める分には問題なしとのこと。
その防衛機構の内部に伝説のバトルスーツが存在するそうです。『行ってみよう!ドワド!男性の友発行』より。
前ふりっぽいな、防衛機構、前ふりっぽい。
いや、眺めるだけです。アメジットは何言うかわかりませんが、眺めるだけです。観光です。
馬車を走らせ2日、つきましたドワドの遺跡に。大きいなーなんか巨大建築物が放棄されてますねー船の船室だけみたいな
あれ、なんかアメジットが変です
「武具遺跡じゃない、どう見ても廃棄された宇宙船だこれ……私の時代と同程度かそれ以上の技術かしら。PDA読取り機構あるのかな……」
「どったのアメジット?ぶつぶつと」
「いえ、なんでもないです。レイ様早くバトルスーツを
「いや、観光だから。盗まないから。」
なんか今日のアメジット大胆だなー。私はもう丸まりたいよ。こゃーん。
アメジットに催促されるように、建築物の内部へ。破壊されたところから入る感じだね。侵入だ。
内部はなんか金属で覆われてます!どこもかしこも金属!何もないところに意味不明の映像が映し出されたりしてる!不思議!楽しい!
なにこれ、棒が並んでる、何かの絵かな?
「……加賀」
「ん?かが?」
「……なんでもないです。なにこのラノベ展開。あの、私考古学を学んでてすこしわかるので、案内しますね。」
といってアメジットはテキパキと案内してくれました。もと船員室とか、もと動力室とか。よくわかるね、凄いなー考古学。
観光名物『ボタンを押すと横にスライドする壁』なども見学。これ確かブキョーの魔道具研究所にあったよね……文化の国さん、大丈夫か。
はい、そういうのも見ながらですが最奥につきました。艦橋だそうです。へー真っ暗で外が見えないけれど船なのか。つかえねーでかい船を作ったもんだね古代の人は。
「……アラートが出てるんだから何処かのコンソールでセキュリティの解除くらいできるよね。ヘルプあるし検索してみるか……」
アメジットがなんかやってる。何やってるんだろう。狐の好奇心が働くぜ、そろりそろり。
「あ、これか。えっと……よし「ばぁ!」わあぁぁぁなんですかレイ様!」
「脅かしただけ、何やってたの?」
「ま、魔法でチョイっと。それよりもバトルスーツの部屋に行きましょう。サクッと盗って帰りますよ。」
え。
連れられるようにバトルスーツの部屋に。なんでもこの部屋は、部屋に入ろうとすると強烈な光線で消されちゃうんだって。
目の前にそのバトルスーツはあるんだけどなあ。なんか見た目はサガットの合成繊維っぽいよ。
観光客も見てるだけ、取ろうとする勇者は年に何人かしかいないそうです。いるのか。
「取れないのはシャクだねーどうにかならないのかな」
「見た目だけはライダースーツっぽいですね。実際は戦闘服ですけれども。じゃあ盗ってきますねー」
え、ちょ!?
観光客から悲鳴が!すたすたと部屋の内部に入ったアメジットはかわいそうに光線の餌食に!
ならんかった!部屋に入れおったぞ!
サクサクっとスーツを入手したアメジットはさっそうとしながら私の下に帰ってまいりました。
「ただいま戻りましたご主人様」
「お、おかえり。アメジットって何者?神?神なの?」
「元編集者です。それよりも騒ぎが起こる前に逃げましょう。帰れなくなりますよきっと。」
ぴゃー。ダッシュで逃げました。
馬車の前まで逃げましてね。
「もしかすると私と古代遺跡は相性が良いかもしれません。運が本当に回ってきましたね」
「アメジットって実は古代人?」
「左手のPDAがないので古代人ではないのですが、親和性は高いです。今回の件で分かりました。なんたって『読めますし』。」
「なんでなんでなんで?なんで親和性が高いの?狐の第六感が本当のことを言ってないってささやいてるよ?本当は古代人なんでしょ?」
「好奇心は猫を殺しますよ?」
「私は狐だもーん、こゃーん。」
帰りはずーっと問い詰めてました。
だっておかしくない?なんでバトルスーツの部屋の防衛機構が働かなかったの?おかしくない?おかしいよねえ?ねえねえアメジット?ねえ?ねー?おか略
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます