第9話 うしブーを狩ろう
うしブーを狩ろう
うしブーというのは全長2m強、体重1.1tくらいのでかい牛です。性格は穏やかですが身の危険が迫ると一気に闘牛の如く暴れまわります。危険な存在です。
扱いは動物かな。魔物と動物の境界って意外と曖昧なんですよね、この世界。魔石落としたりしませんしねえ、アレは掘るかダンジョン魔物から取るものだ。あ、ダンジョンや遺跡で「POP」する存在は全部ひっくるめて魔物かな。
さてそんな動物うしブー君が前方100mくらいにおります。作戦としては闘牛になる前に一発首の動脈にお見舞いして失血死するのを待つ、というところです。危なくなったら
うまくいくかなー、しかし一度はうしブーの背ロースとか食べてみたいし、うしブーの角を売って小金持ちになりたい。うしブー革で出来た防具とか着てみたいです。今の防具はただの牛床革。40銀貨もしたんですけどねえ!
王都で金貨の取引を主体にしていても、やっぱり通常使われている銀貨のほうがしっくりきます。
よし、そろそろ参ります。お狐ダッシュ!キェェェェェ!!
うひょーこの剣スパッとうしブーの硬い皮を切り裂きますね!動脈を切れなかったので逃げますが!お狐退却!今回の逃亡は余裕あるなあ。DEX増えましたしスキルも成長しましたしね。
かる~く逃げて、再度突撃、もうこっち向いてますので回り込んで一発ですね。アクセル全開のドリフトだー!いわゆるインド人を右にってやつですね!
あー、流石に闘牛のその場旋回を上回る旋回はまだ出来ませんね、硬い頭蓋骨や角に剣を当てて刃こぼれしたくないですし、ここは雷撃オーブ乱射で脳震盪と感電を狙いましょう。以前のときよりは強くなっているのでうまくいくと思うんですよね。いけっ!!
よしよしよしよし、まだ踏ん張って立ってますが明らかに動きが遅くなりました。感電と脳震盪同時に起こしてますね。もう回り込めます、うしブーが逃げる前に一閃してしまいましょう、キェェェェェ!
今回はズバッといきました、血液がドバドバ溢れ出してます。これは数分で死ぬな。
それでもまだ立っていましたが、数分後バターンと倒れたので一気に止め、空間圧縮砲弾(ディメ略シュート)を頭にぶち込んで即死させました。あ、角……
まあいいか。解体を始めます。あんまりうまくないので一番分厚いお尻の部分だけ傷つけずに取れればいいかな。他は練習かなー。今度お金払って解体の練習させてもらおう。こういうのも慣れておかないとね。まあ狩人さんのお仕事なんですが……
とまあ一人ブツブツ呟きながら(悲しい目で見ないでください)腹を切り内蔵を取り出して当たり前のように大腸に傷が付き、すんごいくっさい匂いの中解体をしておりました。生活魔法クリーンかけてもさすがにうんぴー直前の匂いを消すのは無理やわ。
うおお皮が剥げねえ。カワハギナイフで皮と肉に切込みを入れて後は引っ張ったり筋を切ったりしてハグらしいのですが全然うまくいかない。苦戦しまくりながら作業を続けました。
3時間くらいかかってなんとか剥げました。ボロボロだけどお尻の部分は傷つかないように死守した。そこだけで1時間かけた。匂いを消さないとクリーンクリーンクリーン!クリーーーーーン!あ、マジックポイントが……この匂いの中倒れるのか……そんなぁ、ばたり
数時間後に意識が戻りましたがあたりは真っ暗。でも最近夜目が効くようになってきてるので薄っすらと周りが見えます。オーブをライトのように光らせることも出来ますしね、魔物に見つかるのであまりやりませんけど。
よし、背ロースいただいて帰りましょう。食べ物の執念はすごいなり。
ちなみにこの世界じゃ4つ脚の野生動物の肉は柔らかい背ロースくらいしか食べられません、他は固くて歯が通りませんね。まあ、イノシシとか鹿は別ですけど。って解体してるギルド職員が言ってた。私は知らんよそんな事。
なので背ロース以外は捨て置くことになります。残った肉は他の肉食動物や鳥類が食べる感じですね。一つの動物を、食べられる部位がある動物が食べて残りを捨て、その残りをまた食べられる部位が残っている動物が食べて残りを捨てて……とこんなふうにきれいにするのです、そういう命の循環をしております。
骨だって消化する魔物がいますしね。ガイドブックによるとボーンイーターっていう魔物だったかな、骨を折って噛み砕くので握力と顎の力がすごく発達している2つ足の生き物だそうです。死肉食いだからいきてる動物は襲わない、意外と紳士?なやつ。
さーて朝日が出てきた頃にルナナス街に凱旋してきました。まずはお尻の部分を提供して革にしてもらって、残りの部分は……一応売ってみますか。背ロースは半分くらい売りますかね。
「たーのもー、うしブーの皮が取れたんだけど、使えるところを皮にしてくれないかな。」
「おーおー、うしブー殺しかドワーフ。」
「帰りまーす。」
「まあまてまあまて、とりあえず見せてみろや。うーん、お尻のところ以外はボロボロで使えねえな、革にしないと売り物にならないし廃棄処分だなお尻以外は。」
「あれ、皮じゃ使えないんですか?」
「皮は革にしないと原則使えないと思ってくれや、敷物にするって手もあるが、この状態じゃそういうのにも使えねえな。まあ革にしてやるよ、防具をもっと強化したいんだろ?後3枚はお尻の部分取ってこい。そうじゃないと足りねえ。」
「ひー3枚も。まあがんばります。」
冒険者ギルドにて
「カクカク」
「しかじか。なるほど解体の練習ですね、素材をだめにしたり方法を1から10まで教えるので料金は高めとなっております、一通り教えるのに銀貨10枚です。」
「え、たか。」
「解体業もギルドの業務の一部なので、仕事を売り飛ばすようなものですからね。ああそれとうしブーの討伐の際には解体員をお連れになってください、逆にこちらから支払う形で解体させていただきます、貴重な素材ですからね。」
「わっかりました。では練習させてください。」
そんなわけで解体の座学から実践までを一通りやったよ。これは銀貨10枚はするね、本当に丁寧に教えてくれたし、素材かなりだめにしちゃったもん。ティーチィングブースト効果で解体スキルLv3まで成長したよー。解体員さんはLv7とか8なので、うしブーは解体員さんに任せた。見事なまでの腕前でした、スゴイ!
うしブーを狩る、狩る、狩る狩る狩る!!
解体員(今夜も肉だな(グッと親指を縦にして拳を上げる))
「たーのもー、うしブーの皮を持ってきたよ、5枚あるから、1枚売るので、それで防具の料金賄えないかな。」
「おお、すげーなうしブー殺しのドワーフ。この質、解体員をつれて討伐したのか。これなら1枚買い取ってもお釣りが来るぜ。全部革にしちゃっていいんだな。」
「私はお狐さんです。1枚は残して、後はお願い。1枚は皮のままギルドに売るんだ。角売ったから別にいいんだけど一応解体感謝の売却をしようかなと。」
「あいあい、わかった。じゃあ作業に入るから出ていきな、革にするのはくせーんだ。」
ということで革3枚で防具を作ってもらいました。うしブー鎧、うしブー腕甲、うしブーすね当て。以上、どれも特に問題なく出来たよ。
ギルドに売却した皮と角で手持ち資金が銀貨120枚に。王都じゃなくても結構稼いだぞ。
「おねーさん、銀貨重いんですけど。」
「じゃあ100枚を手形にしちゃいましょう。冒険者ギルドならどこでも手形を銀貨に換金できますよ。手形は銀貨10枚単位から、50枚以上で発行できます。」
「おお、それは凄い。じゃあそれでお願いします。」
これで銀貨ジャラジャラして怖いにーちゃんに絡まれることも減るかな。身長低いからどうしても舐められるんだよなー。どうみても冒険者でしょうに。
防具も新調したし、王都行って遺跡漁りとでもいきますかね。パーティ組む、のかな?
レイ 冒険者
Lv16
HP152
MP45
STR66
DEX90
VIT55
INT72 (魔力としての)
WIL68
CHA41
スキル
オーブ使いLv7 短槍使いLv4 剣使いLv5 無属性魔法Lv4 魔力転換Lv2 生活魔法
睡眠耐性Lv3 疲労耐性Lv3 暗視Lv3 歩行力Lv2 罠解除Lv1 解体作業Lv3 積載増加Lv3 肉体強化Lv3(ステ全てに+5)
第六感Lv3 お狐耳センサーLv3 お狐鼻センサーLv1 お狐の目Lv1 お狐動体視力Lv1 お狐の疾走Lv4
ユニーク(カード表示不可能)
お狐族 お狐の身体 お狐の機智 毎日少しの努力が出来る子
装備
魔法使いの黒いローブ Eバデッドアーマー Eうしブー革の防具一式 Eドワーフ鋼のショートソード
リュックサック 複数のずた袋 マジックポーチ 薬やポーション、小銭が入っている複数のベルトポーチ 生肉を持ち運ぶためのなにか(なんだろう?)
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