アイス入りの、オニオンスープ
きりぎりす
第1話事故
ーーこれまで、私はだれも信じられなかった
「w」という組織で生まれ、組織で死んでいく――そう思ってた
成績や、能力の低い子は切り捨てられるだから―全員が敵だった
そうして、頑張って「ナンバー2」まで上り詰めたのに
その矢先に事故にあった――ここで、火に包まれ死ぬのも悪くない
デパートの食べ物屋さんで、、、私は、、、がれきの下でそう思った
「ここに誰かいます」
その手は暖かくて――だれかが私を光のほうへ連れてきてくれた
がれきを払いのけて
「大丈夫?名前は」
―――名前、、、名前なんてないしいていうなら「1944番、かな」
「え、それただの番号じゃん」--それが、村風流名との出会いだった
そのあと、私は自分で警察に行って、、、ろうや生活を始めた、、、仕方なかったとはいえ
御免なさいだけで済む問題ではないから
カレー流名は、毎日来てくれた―単純にけがの心配とたわいのない話をしに来ただけだったけど
あったかくて、、、気づけば惚れていた
「っていうか、これだけじゃ、私のろけてるみたいじゃない」
本当は全然そういうことない
っていうか、もともと自分のすがたを見てみよう
どうみても、小学校学校高学年
黒髪、黒目(まぁ、日本人だから)
のたっとしたくちもと、少し自分目線で見るとあほっぽい
対して、流名――30歳くらい、、、親子ほどの差がある
ずーーーどーーーん、、、と落ち込む
いや、もうー体の成長ってどうにかなりませんか、すぐにどうにかなりませんね
――神様願わくば私が大きくなるまでリュウ名に彼女ができませんように
って、祈ったところで神様は私だけの味方じゃないんだし、、、全体を見てるから
りゅうめいに彼女できたほうがいいっていうことになったらやるんだろうし
――私の、気持ちというところを抜けば流名は、そろそろ彼女いない歴33年から抜けてもいいと思う
あ、彼女いない歴は赤ん坊のころからね
「せつないにゃ」かろうじて、いま、流名の家に居候してるってことぐらいしか
私にできることないんだよなぁ
「まぁ、考えるだけ無駄かな」
できちゃったらできちゃったで仕方ないんだし
あれ、、、なんか目の前がぐにゃぐにゃって歪んで見える
ナニコレ、、、、あれ、どっちが前で、、どっちが後ろだっけ
左はどこ、右はどこーーわかんない
私もしかして病気ーーのわりには、見たことのない景色になり始めてるんだけど
は、もしかしてこれはーー私っったら夢を見ているのね
夢なら起きないと、、、今夢に長くいたくないよ
「いてっ」
ここどこだーーーどうにも、見覚えがあるような、、、ないような
でも、ほんとに来たことないはずの土地なんだけどおかしいな
だって私の知ってる景色は、、、、、
わぁなにあれ、水の塊、、、水面がキラキラ輝いてる
どこまでも広がってる
なにこれ、これが海ってやつ――きゃっほ――どてっ
いたい、、、、私がろうやせいかつで体なまってるの忘れてた
私の膝小僧ちゃん、ごめんね、でも、さ、海だよ――海なんだよ
初めての海―――
「おい、ここはビーチじゃねえよ、、、遊ぶならあっち」
おじさんが指さしてくれたその先にそのビーチってのがあるわけね
楽しそうじゃんー私、楽しいの大好きなんだ
ま、楽しくないのは嫌いだけどね
「おじさん、ありがとばいば~~い」
お礼を言って、全力で走るーーーどてて、、やれやれこの先が思いやられるよ
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