ボロボロなお店
気が付いたらあたし、いつもとは、ちがう場所に立っていたの。
さっきまでいた、ワンちゃんと一緒に散歩していた人。
ジョギングしていた人も、みーんないなくなっちゃった。
目の前には、かなりボロボロのお店が一つだけ。あれ、こんなお店、あったっけ?
あたしの頭の上には、大きなクエスチョンマークが一つ。
お店の方へ近づいてみる。
店の前には、大きな黒い門。
その門をくぐった先に、木で作られている看板が一つ。
そこに、あたしよりも、きたない字で
『まじょカフェ営業中』
と書いてある。まじょカフェって、何だろう?
よくある猫カフェとか犬カフェみたいに、まじょがいるカフェなのかな。
まじょがオレンジジュースとか出してくれるのかな?
あたしは、ランドセルの中身を確認する。
何かあったとき用に、ランドセルの中には、小銭が入れてある。
これなら、オレンジジュースくらいなら飲めるかな?
黒い門は、あたしが二人縦に並べるくらい、大きい。
これだけ大きい門だから、きっと重たいんだろうなあ。
そう思いながらあたしは、門を押してみた。するとびっくり!
とーっても軽かったの!
門を開けて、あたしは中へ入った。
地面に石が埋められていて、オンボロお店の前まで続いてる。
かべは、あちこち色がちがう。
それに、屋根も木の板でバッテン印がいくつもはってある。
雨が降ったらきっと、お店の中がびしょびしょになるんだわ。
お店の中に、バケツが置いてあったらよけて通ろう。
そんなことを考えながら、あたしは、お店の扉の前に立った。
そっと扉に耳を近づけてみる。物音はしない。
誰もいないんじゃないのかな、やめとこうかな。
そんなことを考えていたとき、扉が勝手に開いちゃった!
扉にくっついていたあたし。
扉に押されるようにして中へ入ることになっちゃった。
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