とんだ恋の話をしよう
黒月詩弦
01.物書き・書き始める。
はじめてしまった。そう、突然の思い付きで始めてしまった。
これから何を書くのか、
どうやって書くのか、
プロットもないまま衝動的にサイトに登録し、
使い古したパスワードを打ち込み、
気がついたら書き始めてしまっていた。
メールを書くような要領で、ぽちぽちと文字を打ちを始めてしまった。
これから何を書くのか、
これから何を言うのか、
どうするのか、まったく見当も付いていない。
どこで決着をつけるのか、
落着するのか、
はたまたこの物語が終わるのか。
何もかもわからないまま始めてしまった。
この時点で既に、何を言ってるんだと思うひとのほうが多いかもしれない。
既に見るのをやめようとバツボタンをクリックしようとしている人もいるかもしれない。
あるいは、このトチ狂った物書きを一話分くらいは見守ってやろうと思っているひともいるやもしれない。
そう、いま私は物書きと名乗った。
その通り、私は物書きだ。自分が文章が書けることにささやかな誇りを持っていて「面白い話ですね」と周りに言われればそっとガッツポーズを決め、
作文を書いて教師からお褒めの言葉を貰えば後生大事にその作文をとっておくようなタイプの"書くことが得意なタイプの人間"それが私だ。
だから、書き始めてしまった。久しぶりに、キャラクターも何もいない、こんな話を衝動的に。
書かずにはいられなかった。
なぜなら書くことだけが、発散方法だったからだ。
これから書きなぐるのは恋愛譚だ。
そしてお気付きの通り、これは"私"のお話だ。
書きたいから書くし、
書きたくなったらやめる。
そんな無責任なお話を、私のことをだれも知る人がいないこの場所だから、
赤裸々に書き綴ってみようと、そう思った次第だ。
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