第31話 三好ミキ、教育方針に意見する
「もっ、もっ」
「そう、偉いわね、もっと欲しいのよねー」
もう
たどたどしいので、しっかりとした会話が成立するわけではないが、こちらが話していることを思った以上に理解できているようで、たまに驚かされる。
だが、それは二人の時だけだ。
良夫さんが一緒だと
別に良夫さんが
むしろ、その逆だ。
とても愛しているのは見ていて分かる。
最近急に町長と言う重要なポストに就任してしまったが、それでも今まで通り
新しい町長と言うこともあって、風当たりも強いだろうに批判を恐れず、行動するのはとても勇気のいることだ。
そういう所は素敵だと思う。
とても口下手なのにたまにものすごく積極的。
自分で『君にとても会いたい』とかラインしてきたと思ったら、会った途端第一声が「いつもお世話になっています」だった時にはどうしようかと思った。
よくお付き合いするとことまで発展したものだと思う。
それはともかく、良夫さんが
その上、
口を出すべきではないのだろうと思うが、ある日とうとう言ってしまった。
「良夫さん、みんなで食事をしている時はスマホを置いて。しっかり、
「あっ、ゴメンなさい。今、
「もう、良夫さんたら、
するとその時ちょうど間の悪いことに、わたしのスマホに着信があった。
少しためらったが、良夫さんがうながすので、確認すると。
『みきさん、ぱぱおこらないで』とあった。
「えっ、これって!良夫さんのイタズラ?」
「違うよ、ほら僕のスマホはもうテーブルの上に置いてあるだろ」
『ほんとだよ。まみ、めーるできるよ』
「...すっごーい!!!
良夫さんはもっと早くカミングアウトしたかったけど、どんな反応をするか怖くて言えなかったのだと、謝ってくれた。
もちろんわたしはそれを許し、それからは三人そろうとわたしと良夫さんが口頭で話し、
もう少し慣れたら、漢字の読み書きも教えてあげようと思う。
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