モノローグ

ずっと前からわかっていた。


彼が彼女のことが好きだってことは。


だから、無理だって諦めてた。


ダメ元で告白して、OKをもらえたときはとても嬉しかった。


それからの日々は毎日が幸せだった。


大好きな彼と過ごせて、すごく幸せだった。


いつか結婚して、幸せな家庭を築いて、私の最期を看取ってもらいたいと思うようになった。


わかっていたつもりだった。


彼が私の元から離れていくなんてことは。


でも、それこそ本当にわかっていたつもりだった。


いざ彼が彼女と付き合うとなってみると、胸が張り裂けるくらい辛かった。


生きる価値を失ったような感じさえもした。


「ごめん、別れよう。僕は葉月のことが好きなんだ」


彼の言葉が頭から離れない。


今更嫌いになんてなれない。


これからも、彼のことを好きでいていいのだろうか?


私はいつのまにか、彼のお気に入りだった中庭に来ていた。


「絶対に諦めないから!絶対に雛菊を振り向かせてみせるからっ!」




夕日に照らされながら赤髪の少女は誓う。


いつかまた、二人で……ことを。


END

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キミイロメモリーズ 宇田川竜胆 @kiriwaka

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