世界の創造主に選ばれたので妄想世界を作り英雄になりました

ウメコ

異世界の誕生 プロローグ



『さぁ、行きなさい。

私の可愛い子供達。』



とても美しい女性が上を向いて話す。


彼女が見ている方向にあるのはいくつかの丸い光。


その丸い光は彼女の言葉に頷くように頭上をくるくる回り、散り散りになって飛んでいく。


全ての光が彼女の前から姿をしたと思ったら丸い光が一つだけ彼女のもとに戻ってきた。



『どうかしたの?』


『………。』



彼女の問いに答えるように丸い光はくるくると回る。



『そうね……。』



彼女は小さく頷き、言葉を続ける。



『わかったわ。

あなただけ特別よ。

この時計を持って行きなさい。 3番。』



彼女の手には先程までなかったはずの時計がある。


それを丸い光に向けて差し出す。


丸い光が時計に近づくと、時計がスッ消える。


おそらく丸い光が時計を取り込んだのだろう。


彼女はその様子を見てさらに続ける。



『それと、あなたの主は私が決めてあげます。

彼を探しなさい。

後はわかるわよね。』



彼女はそう言って丸い光に向けて指先を当てる。



『さぁ、行きなさい。

あなたは私の子供達の中での唯一私と同じ女神。

力は他の誰よりも弱いわ…

だけど、きっと大丈夫。』



丸い光は一度だけ頭上を回ると飛んで行ってしまう。


今度こそ完全に丸い光が全て消える。


女性は軽く目を閉じて口を開く。



『私を楽しませてくださいね。』



そう言うと、彼女は上を見上げ微笑んだ。


ただでさえ美しい彼女の笑顔は全ての人が息を呑むほどの美しさだった。


まるで、この世を司る女神のような……

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