037: ルナティック――狂気を呼ぶ

 深夜

 満月が夜空に浮かぶ

 狂気を呼ぶ月明り

「ははははっ! 力が漲る、血が騒ぐ」

 男は夜に吠える

「今宵は我の真実の姿、満月の夜に怖いものなし!」

「はっはっはっ! 我の前に立ち塞がる者なし!」

 パコーン!

「ぐぇぇぇっ~~!」

「あんた、何やってるの」

「いや、今夜は満月だし」

「その歳で中二病かぃ、いいかげんにしな!」

「せめて月一くらい、いいだろ」

「女狼になってやろうか?」

「いえぃぇ、そのようなことは決して」

 本当に怖いのは……

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る