011: 眠れぬ夜――羊が一匹、羊が二匹
「羊が一匹、羊が二匹……」
眠れぬ夜は羊を数える。
「羊が三匹、羊が四匹……」
段々眼が冴えて来る。
「羊が……」
おい、群で横一列になるなよ。
「羊がぴょん!」
兎が混じってなかったか?
「羊がほぃ!」
いま、赤の水玉柄が通らなかったか?
「羊がくるくる!」
いま、宙返りしなかったか?
「睡眠には全く役にたたん!」
「ところで、羊ってどんな動物なんですか?」
「我が長距離遠征艦隊に羊はいないからなぁ、想像もできん」
「資料にはこうあるな」
螺旋形になった角を持つ。
瞳が横になっている。
四つ脚で二つに割れた蹄を持つ。
大鎌をかざして人を襲う。
メェと鳴く。
「悪魔の様相ですね」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます