第二十八話・6

 ──真夜中。

 なんとか頼みこんで楓を私の部屋に泊めたのだが……。

 裸で楓のところに夜這いに行ったら、さすがに断れないみたいで私のことをしっかりと抱きしめていた。

 そんな中でも、楓の手は私の大きめのおっぱいを優しく揉みしだいてくる。


「んっ」


 おっぱいを揉まれた時の刺激は、私としてはどうしようもなく、つい声をもらしてしまうほどだ。

 それと同時に楓の下半身にあるあそこが私の秘部に当たってくるが、挿入してくる気配はない。

 我慢しているのかな?


「どうしたの? してこないの?」

「するのはまだ早いかなって……」


 どうやら楓にも考えがあるみたいだ。

 ちなみにこういう行為をすることを考えて、楓にも裸になってもらっている。

 もちろん、新品のゴムはしっかりと着用してもらってだ。

 今回の場合は…どうだろう。ゴムはしてるのかな?

 すっかり寝ていたみたいだったから、していたかも怪しい。

 もしかして、まだゴムをしていないとか。

 たしかにゴム無しのときのセックスは気持ちいいけど、後で色々と問題が出てくるので、なるべく着用してもらっている。

 楓のあそこ的にはゴキゲンな状態になれるみたいだけど、それはもう少しだけ我慢してほしいかな。


「ねぇ、弟くん。もしかしてゴムをし忘れたりは…してないよね?」

「ゴムはもちろん着用してるよ。だけど……」


 楓は、なぜか気まずそうに私から視線を逸らす。

 そういえば、セックスをする時って、いつも私からのアプローチを待っていたのを思い出してしまう。

 楓から、積極的にやってくることはなかったな。


「弟くんがリードしたかったりする?」

「うん。本音を言えば──」

「そうしたら、私が先にイッちゃう姿を見ちゃうかもしれないけど…見たいの?」


 私は、再確認するかのように訊いてみる。

 たぶん私が絶頂してしまって、なされるがままというあられもない姿を見たいだけなのかも──

 どちらにせよ、あんな恥ずかしい姿は楓には見せたくはない。だけど──


「香奈姉ちゃんはとっても魅力的だし。見たくないかって言われたら…ちょっとだけ見たいかも──」

「なんだか、とても素直な感想を聞いた気分かな」


 楓の貪欲さを改めて見て、心の準備が必要だなって思ってしまう。

 でもそれは、かなり恥ずかしいかも。


「仕方ないなぁ。…ちょっとだけだからね」

「うん」


 楓は、私の言葉に応えるようにして私の大きめのおっぱいを揉みしだいてきた。

 おまけに空いた手でちょっとだけ湿った秘部にも触れてくる。


「ちょっと…濡れてるね。なにかあったの?」

「うん。弟くんのことを考えたら興奮しちゃって……。我慢してるつもりなんだけど……」

「そっか」


 だからといって私の秘部に指先を挿入してくるわけではないのが、楓の貪欲さが垣間見える。

 まだダメなのか。

 それなら無抵抗だということを楓に知ってもらうまでだ。


「どうしたの? なにもしないの?」


 私は、わざと寂しげな表情でそう言った。

 楓の目の前には全裸のあられもない私の姿が映っている。

 楓の下半身のアレはすっかり勃起していて、それはもう立派なものになっている。

 そんな風になっていて、なにもしないというのが逆に情けないとしかいいようがない。

 楓は、私の体を舐め回すように視線を巡らせた後、覚悟を決めたように下半身のアレを私の秘部に当てがわせてくる。


「いくよ。香奈姉ちゃん」

「うん」


 私は、楓の下半身のアレが私の秘部にそのまま挿入してくる瞬間を見届けていた。

 次に襲ってきたのは、体全身を駆け巡るなんともいえない強い刺激だった。


「あんっ」


 途端、中から伝わってくる強い刺激は体全身にまで及んでくる。

 後のことは…何も言わないでおこう。

 挿入された楓の下半身のアレは一度だけでは満足するはずもなく、何度も何度も私の秘部を押し開くように中を突いてきた。

 その時の刺激は、私ですらなんともいえないくらいのもので──

 とにかく。我慢するのは至難の業だ。


「激しいっ! イクっ! イッちゃうよぉ」


 自然とそんな言葉が喘ぎ声とともに出てきたものだから、楓のアレの威力はさらに強さを増していく。

 もしかして、興奮しちゃってるのかな?

 ──とにかく。

 これ以上続いたら、私の理性がまともな状況じゃなくなっちゃう。


「あっ……。あぅっ……」


 それでも楓のアレは、私の中を抉るように突き刺してくる。

 正直、私の理性は限界を迎えていた。

 半分くらいイッてしまって、私自身、何も考えられない。

 夜に勉強した分の半分くらいは、飛んでしまったかも……。

 しかし、それもすぐにやめないといけなくなった。


「お姉ちゃん、何してるの!?」


 それは、無断で部屋に入ってきた花音が、あきらかに動揺した様子でかけてきた言葉だった。

 部屋の鍵は閉めてはいないから、当たり前のように妹の花音が入ってくる。

 そんなに大きな声を上げたつもりはないのだけど……。

 どうやら、花音には聞こえてしまったらしい。

 よく見たら、花音も裸だった。

 私よりは大きくはないが、胸もまぁまぁな大きさだ。

 せめて下着くらいは着用してほしいところだが…人のことをとやかく言えた身分じゃないので、私は強い息遣いのまま花音を見る。

 楓にいたっては、あきらかに驚いていた。

 私の視線も、楓とのセックスで少しだけ現実味がないような、とろんとしたものだった。


「花音…来ちゃったの?」

「………」


 楓は何を言えばいいのかわからず、ただただ困ったような表情で花音を凝視している。

 他の女の子を、そんなエッチな視線で見るものじゃない。

 花音も全裸だから仕方のないことなのかもしれないが……。


「『来ちゃったの?』じゃないよ。何でお姉ちゃんが楓とセックスなんてしちゃっているのよ?」


 花音は、今にも泣きそうな顔で私に訊いてきた。

 私の理性は絶頂を迎えていたものの、ある程度回復してきて、どう言い訳をすればいいのか思案する。

 返答次第では、花音までこのセックスに混ざりかねない。

 それだけは、絶対に避けたい。

 ちなみに、花音はまだ処女だ。

 楓に処女を奪われる展開なんて見たくはない。

 せめて花音の処女だけは、私が護らないと──


「これはね。私の気持ちがそうさせているの。…だから花音が気にすることじゃないのよ」

「だからって──。これはずるいよ。私が楓の相手になってあげようと思ってたのに……」

「ダメよ。それだけは絶対にダメ。花音には、まだはやいから──」

「それは、私がまだ処女だからって言いたいからでしょ?」

「それもあるけど……。それ以前にまだ心の成長が──」


 まずい。

 このままだと、本当に花音もこのセックスに混ざってしまう。

 そうした私の懸念は、見事に的中する。


「だったら楓に私の処女を奪ってもらえばいいんだよ。──うん。それしかないね」

「だからダメって言ってるでしょ! 弟くんと寝るのは私なんだから!」

「あの……。僕の気持ちは……?」


 楓は、何か言いたそうな顔でそう言ってくる。

 しかし私と花音は、ほぼ同時に言い返していた。


「弟くんは黙っていて!」

「楓は黙ってて!」

「うん……。ごめん……」


 私と花音に逆らえないと悟ったのか、楓は小さくなってしまう。

 だけど、一糸纏わぬ姿で花音がやってくるとは思わなかったな。

 もしかして、初めからこのシチュエーションを狙っていたとか?


「とにかく! 私は、楓とセックスするんだから──」


 花音は、そう言って楓のところに飛び込む。


「ちょっ。花音! いきなりやってくるのは……」


 楓は、突然のことにかなり動揺しているみたいだった。

 たとえ相手が花音でも、全裸で飛び込まれたら、誰だって動揺してしまうだろう。

 しかし一つだけ気になることがあった。

 楓の下半身のアレは、1人の女の子の全裸を見て、とても素直な反応を見せていたのがなんとも言えない。


「やっぱりお姉ちゃんの言うことは聞いてはくれないんだね……」


 私は、諦めたような表情で楓と花音を見てそう言っていた。

 そうは言ったものの、さすがに花音に手を出すなんてことはないだろう。

 ここは2人を信じてみよう。

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