第二十二話・8

 奈緒ちゃんとの間に何があったんだろう。

 最近は、そればかり気になってしまう。

 勉強も大事だというのに……。

 肝心の楓は、何も言ってくれないし。


「私って、そんなに魅力がないのかな?」

「突然どうしたの?」


 楓は、思案げな表情でそう訊いてくる。

 どうやらボソリと囁くように呟いた言葉が、楓に聞こえてしまったらしい。


「別に~。最近、弟くんの態度がよそよそしいなって思ってね。これは、絶対に何かあるなって──」

「それって……。ひょっとしなくても、僕のことを疑ってるよね?」

「だって、ねぇ。最近、ずいぶんと奈緒ちゃんと仲が良いなって思ってさ」

「そうかな? いつもどおりだと思うんだけど……」


 楓は、あくまでもそう言い切る。

 私が下着姿で迫っても、いつもの表情でそう言い切ってしまうあたり、かなりのポーカーフェイスだ。

 もしかして私の裸なんて、もう見慣れてしまったとか。

 なんか嫌だな。それって……。

 私としては、もう少し刺激が欲しいかも。


「それだったら、私と一緒に寝よっか? ついでに、エッチなことをしてもいいよ」

「『してもいいよ』って言われても……。初めからする気で、下着姿でいるんじゃないの?」

「それは……。弟くんの気分次第で変わるかなって」


 私は、恥ずかしそうにそう言った。

 恥ずかしいけど、楓がいいのなら、私は何も言わない。

 楓の部屋なんだから、そこは自由だと思う。

 楓は、おもむろに私をベッドの上に押し倒し、そのままブラ紐に指を引っ掛ける。

 楓の部屋に2人きりでいて、服を着ている意味ってあんまりないから、どうしても脱いじゃうんだよなぁ。

 私の悪い癖だ。

 無意識のうちに、楓のことを誘ってしまったらしい。


「気分、か……。僕的には、香奈姉ちゃんと……」

「うん。弟くんがいいのなら──」


 私は、真っ直ぐに楓のことを見つめる。

 これで『遠慮』というものがなくなったんだろう。

 楓のもう片方の手は、パンツの方に伸びる。

 楓の手は、そのままパンツの中にスッと入っていき、私の秘部を撫でてきた。


「んっ……」


 私は、秘部を触れられた感触にたまらず声を漏らす。

 たぶん、赤面していると思う。

 久しぶりの感触に、私は内心で嬉しくなる。

 普段、楓の方からこういうことをやってこないだけに、ちょっとした変化が嬉しかったりするのだ。

 それを証拠に、私の秘部は少しだけ濡れてきたみたいだ。

 これは、急いでパンツを脱がないとダメかな……。

 私は、パンツに指を掛けて、少しずつ下げていく。

 そして、露わになった秘部を見て、楓は恥ずかしそうに顔を赤面させる。


「やっぱり、香奈姉ちゃんのあそこって綺麗だね。…ツルツルだ」

「そこは、ね。いつも処理しているから……」

「そうなんだ」


 楓は、納得したかのようにそう言って、私の秘部の辺りに手を添える。

 私だって、女の子だ。

 そんな風に手を添えられたら、過敏に反応してしまう。

 ただでさえ、デリケートな箇所なのに……。


「どうかしたの?」

「いや……。なんとなく。処女って、まだ残っているのかなって……」

「私の処女は、もう弟くんにあげちゃったから、無いと思うよ」

「そっか。あの時に……」

「うん。あの時のことだね」


 私は、楓の手つきが気になりつつも、そう言った。

 さっきから私の秘部を指で撫でくりまわしているのだ。

 乱暴にではないから、まだ我慢ができるレベルだけど。

 楓に言ったとおり、私の処女は楓にあげちゃっているので、楓の指先などは何の抵抗もなく簡単に挿入っちゃうだろう。

 でも神経は過敏に反応しているから、挿入されたら声を上げちゃうだろうな。


「指、挿入れてみてもいいかな?」

「え……。それは……」


 さすがに心の準備ができていないから断ろうと思うんだけど、パンツを引き下げた後だったから、そんなことはっきりとは言えないし……。


「ダメ、かな?」


 懇願するかのようにそう言ってくるから、余計に断れないじゃない。

 私は、楓にそれをしやすいように少しだけ脚を広げる。


「少し、だけだよ。激しくしないでね」

「う、うん。気をつけるね」


 そう言いながらも、楓の指は私の秘部の中に挿入っていった。

 秘部を護る膜が無いので、楓の指はすんなりと挿入っていく。

 私の膣内を抉るような形になってしまったのは言うまでもない。

 もちろん、私の秘部にある神経は過敏に反応した。

 体全身に駆け巡る、なんともいえない刺激。

 私は、たまらず声を漏らす。


「あんっ」


 私の漏れ出た声に反応して、楓はさらに指を動かす。

 それもぐりぐりと弄るようにして、私の膣内を激しくし始める。

 これは、さすがに堪らない。


「ちょっ……。弟くん。激しいって……。これ以上は、やめて──」


 そんな言葉もむなしく、楓は私の膣内を弄ってくる。

 体全身を駆け巡る刺激はさらに激しくなった。


「あっ」


 楓ったら、なにかストレスでも溜まっていたのかな。

 ダメだ。

 あまりにも気持ち良すぎて何も考えられない。

 快楽っていうのは、こういうことを言うんだろうか。

 とにかく。

 これ以上やられてしまったら、私の精神が先にイってしまう。


「ダメ……。これ以上は……。私、イっちゃう……」

「あ……。ごめん……」


 楓は、我に返ったのか弄るのをやめてゆっくりと私の膣内から指を引き抜いていく。

 引き抜かれる瞬間までも、神経が通っているのか、私の膣内はビクンと反応し、感覚が先鋭化してしまう。

 楓の指を離したくないのか、閉まっている状態になる。


「んっ」


 嫌っていうわけじゃない。

 ただ単純に、楓からのアプローチを無駄なものにしたくないだけだ。

 今度は、楓の立派なものでやってみようか。

 私は、楓の身体にゆっくりと腕を回して、そのまま抱きしめる。

 楓は、流れに任せたままに私の胸の上に頭を乗せてきた。


「香奈姉ちゃん。これって……?」

「それだけで満足なの? 奈緒ちゃんとは、たくさんエッチなことをしたんでしょ? だったら、私ともエッチなことはできるよね?」

「それは……。時と場合によるんじゃ……」


 楓は、なにか言い訳じみたことを言い始めたが聞くつもりはない。

 私だけ、こんなはしたない格好をするのは絶対に許さないんだから。

 絶対に責任はとってもらうよ。

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