第十九話・13
せっかくだから、今日は私の家に泊まっていってもらおう。
楓の家には、隆一さんがいるから思い切ったことができそうにないし。
最近、二人っきりで過ごすことができなくなってるかも。
そう思った私は、さっそく楓を私の部屋に案内する。
「せっかくだから、今日は私の家に泊まっていきなさい」
「え……。でも……。今日は──」
やはりというべきか、楓は若干嫌そうな面持ちになる。
そんな表情を、私は見逃さない。
私は、あくまでも笑顔で楓に迫っていった。
「まさか、『嫌』なんて言わないよね?」
「それは……」
楓は、図星を突かれたのか口ごもってしまう。
その反応は、まぎれもなく『嫌』だったんだな。
だけど、そんなことは絶対に言わせない。
「どっちにしたって、これは決定事項なんだから! 弟くんがなんて言おうと、絶対に聞いてもらうよ」
「僕に拒否権は?」
「ない!」
私は、キッパリと答える。
「そっか……」
「と、言うことで──。いいよね?」
「う、うん。香奈姉ちゃんがいいのなら……」
楓は、遠慮がちにそう言った。
なんで恋人同士なのに、そんな遠慮がちになるのかな。
こういう時は、もっと喜んでほしいんだけど……。
「今日は、帰さないんだからね! 覚悟しなさいよ」
私は、自分に言い聞かせるようにそう言っていた。
エッチなことをする時、楓からは絶対にやってこない。
とっても奥手な楓は、こういう時は私から誘うようにしないと、何もしないで終わることもある。
私は、すかさず楓に声をかける。
「ねぇ、弟くん」
「なに? 香奈姉ちゃん」
「お願いだから、こっちに来てくれないかな? 私のことを想ってくれるのはいいことだけど、放置っていうのはいただけないよ」
「う、うん……。わかってはいるんだけど……」
ベッドの中からそう言ったのだが、楓はそう言って一向に床に敷いてある布団の中から動こうとしない。
いくら紳士でいたいからって、放置プレイはあんまりだ。
「わかってるなら、ちゃんとしよう。何もしたくないっていう弟くんの気持ちもわかるけど、今は私との時間だから──」
「そ、それじゃ、遠慮なく……」
そう言って楓は、私に近づいてくる。
洋服の胸元を少しだけオープンにしてるから、ブラジャーがチラ見えしちゃってるかもしれないけど、この際何も言わない。楓にしか見せていないものだから、見たければいくらでも見ればいいっていうスタンスだ。
たしかに見られたら恥ずかしいけど、楓とのスキンシップをはかるためにはしょうがない。
私は、静かに手を伸ばし、そのまま楓の頬に触れる。
「今日は、私のことを好きにしていいからね」
「え……。あ、うん」
楓の表情は、相変わらず呆然としていた。
これから何をするつもりなのかわからないといった表情だ。
私にもわかるくらいのそんな不安そうな表情をされたら、手を出していいのかわからなくなっちゃうよ。
むしろ、楓にしてほしいくらいなのに……。
私の手は、頬からゆっくりと楓の後頭部に移動していく。
後頭部に差し掛かると、私の手はそのまましっかりと押さえていた。
「私も、遠慮はしないから…ね」
今にも簡単に脱がせられそうなはだけた格好をしてるから、楓もわかってくれたんだと思う。
楓は、ゆっくりと胸元のボタンを外していく。
「んっ……」
途端、チラリと見えていただけのピンク色のブラジャーが楓の目の前にあらわになる。
花柄の可愛いものを選んだけど、楓の目にはどんな風に映っているんだろう。
楓は、おそるおそるといった感じで私の胸に触れた。
そして、そのままにぎにぎと揉みしだいてくる。
「あっ……」
私は、つい声に出してしまう。
揉みしだくくらいなら、思い切ってブラジャーを外してほしいんだけどな。
でも、この刺激はなんとも言えない。
「あ、ごめん……。痛かった?」
「大丈夫だよ。ちょっと変な気持ちになっただけ……。続けてもいいよ」
楓にそう声をかけられ、私はうっとりとした表情のままで答える。
「う、うん。僕も、香奈姉ちゃんのおっぱいに手を触れていると気持ちが……」
「気持ち良くなってきたの?」
「うん……。特にもあそこの具合が……」
どうやら私の胸は、楓の大事な箇所を刺激するには充分みたいだ。
だけど、それは私も同じである。
楓の手には、私の体を刺激する何かがあるんだろう。
特にも、ブラジャーの中に直接指先を忍ばせ、そのままおっぱいの先端に触れてくる時の感触は、なんとも言えない気持ちだった。
私は、体をもじもじとさせて言う。
「そっか。実は、私もね。体が刺激されて、今にも──」
「そうなんだ。だったら、僕と──」
「うん。もちろんだよ。弟くんとだったら、どんなことでもオッケーだよ」
「香奈姉ちゃん。今日は、よろしくね」
楓は、そう言って私が着ている洋服を脱がせた後、ゆっくりとブラジャーに手を伸ばし、そのまま脱がしていった。
ブラジャーだけで満足するはずもなく、楓はショーツの方にも手を伸ばす。
次の瞬間には、あらわになる私の裸体。
今日は、誰も邪魔は入らない。だから、やろうと思ったらセックスだってできる。
楓が望めば…の話だけど。
どちらにしても、心の準備はできている。
楓の手は、ゆっくりと私の下半身の大事な箇所に伸びていく。
やっぱり、そっちからいくか。
私の処女はもう楓にあげちゃっているので、そうやって箇所を指先でなぞってきても平気だ。
当然、感じたりはするけど……。
ちなみに生理の日は過ぎてしまっているので、なんの問題もない。
「どうしたの? 私の箇所が気になるの?」
私は、頬を赤く染めてそう訊いていた。
「う、うん。香奈姉ちゃんのを見るとつい──。引き込まれてしまうっていうか……」
「そっか。そんなに私の箇所は、魅力があるんだね。なるほどね」
そんなことを言われてしまうと、率直には嬉しい。
それは表情になって出ていると思う。
楓は、私の大事な箇所をなぞるように優しく触れてきた。
ホントは、胸の方にももっと手を添えてほしいんだけど、楓の性格を考えたら難しい話か。
「んっ……。そこ……」
私は、体に電気みたいなものを感じ、声に出してしまう。
きっと私の顔は、赤面しているんだろうな。
何回かやったことがあるためか、不思議と羞恥心はない。
だけど大事な箇所が少しだけオープンになったような錯覚を覚える。
そんな体の反応に、楓も反応したみたいだ。
その証拠に楓の指先の感触が若干変わった。
さっきまで優しく撫でるような感触のものが、少しだけ激しくなったような感じになったのだ。
私の箇所には影響はないが、少し激しくなったことで私の感覚が過敏に反応しだす。
「あっ……。そこは──。ちょっと激しいかも……」
「ごめん……」
楓は、申し訳なさそうに謝ってくるが指先の動きはやめようとしない。
むしろ、私の中に挿れてきそうな勢いで箇所を攻めてくる。
「あのね。挿れるのはいいんだけど、もうちょっと優しくしてほしいな?」
「う、うん。ごめん……」
楓は、そう言ってあたふたしてしまい、大事な箇所から手を離す。
その反応は……。
普段からスキンシップをしてくることはないから、慣れてないんだな。
どちらにしても、一旦、手を止めてくれなかったら、私の精神がイクところだった。
私は、そのままの体勢で手を伸ばし、ショーツをゆっくりと引き上げる。
楓のことだから、またすぐに脱がしてくるんだろうけど、雰囲気を盛り上げるためには必要なことだ。
「やっぱり、今日は無しにしよっか?」
「どうしたの? 香奈姉ちゃんの方からやめるっていうのはめずらしいね」
「うん……。ちょっとね……。楓の指先がやけにいやらしく感じて──」
私は、わざとそう言って楓の心を試してみた。
『いやらしい』って言われれば、多少は楓の気持ちも変わってくれるかなって思ったのだ。
「そっか。いやらしい…か」
案の定、楓は自分の手をまじまじと見つめている。
──うん。
予想通りの反応だ。
そうやって、男の子は成長していくんだよ。
女の子の体のことを少しずつ学んでいくから、楓にとってもプラスになるし。良い事だと思う。
「わかった。香奈姉ちゃんがやめるっていうなら、僕は言うとおりに──」
楓は、残念そうにそう言って私から離れる。
試したつもりでそう言ったので、あくまでも冗談だ。
私は、慌てて楓の体を抱きしめていた。
「あ……。ちょっと待って──。今のは、冗談で……。だからね」
「香奈姉ちゃん……。でも今日は、スキンシップは──」
「いいの。私がしたいんだから、許す。そういう事だから、続きをやろう」
「う、うん。なんか気持ちが複雑なんだけど……」
楓は、いかにもな感じで気難しそうな表情になる。
「そんな顔しないの。かっこいい顔が台無しだよ」
「それは……。さっきまで、僕のことを『可愛い』って言ってたくせに……」
「そんなこと……。まぁ、たしかに言ったけど。はっきり言っちゃうかなぁ。弟くんのせっかくの持ち味なのに……」
「そんなところを褒められたって……。ちっとも嬉しくなんてないよ」
「そうかな? 私は、弟くんの良いところがちゃんとあって嬉しいけどな」
私は、楓の頭を優しく撫でながらそう言っていた。
これだから、楓を手放したくないんだよね。
楓は、恥ずかしそうな表情を浮かべて私の顔を見ている。
──とりあえずは、楓はそのままじっとしているから、問題ないだろう。
これで心置きなく楓と──。
エッチなことの続きをしてくれない限りには、私の欲求がおさまりそうにない。
「とりあえず、続きをしよ?」
私は、あらわになったままの胸に楓の顔を押し付けた。
楓もまんざらでもないみたいで、ギュッと抱きしめてくる。
私のおっぱいが好きなら、遠慮なくすりすりすればいいのに。
まったく。素直じゃないんだから。
それに──。
こんなことなら、ショーツを穿き直さなければよかったかな。
ちょっと後悔してしまう私がそこにいた。
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