ゴルフに関する覚え書き
宮前葵
第1話 ゴルフの本質について
アマチュアゴルファーのほとんどはゴルフの本質を誤解している。もしくは、考えた事も無い。
理由は簡単で、別に知らなくてもゴルフは出来るし楽しめるからだ。
しかしながら、ゴルフが上手くなりたければ、真剣に上達を望むのであれば、少しは考えた方が良いし、知っておいた方が良い。
では一体ゴルフの本質とは何か。
まず、ゴルフとは何を「目的」としたゲームなのか、ということを考えてみよう。私の知る限りゴルファーのほとんどはここから間違えている。
多くのゴルファーはこう考えている。
「ゴルフとは一打でも少ない打数でホールアウトする事を目指すゲームである」
しかしながらこれは不正解である。こう考えているが為にスコアを延ばせないプレーヤーは余りに多い。本当はこうである。
「ゴルフとは自分で出せる最小打数でホールアウトする事を目指すゲームである」
この違いが分からないプレーヤーはまずゴルフが上手くならない。
何が違うのか。これは見知らぬ所に乗り込む時に地図があるか無いかくらい違う。つまり「一打でも少なく」と考えているプレーヤーには目的地も道筋も分からずに歩いているようなものだということなのである。
一打でも少なく、というのなら、ゴルフにおける目標スコアは常に18打になってしまう。つまり毎ホールホールインワンだ。しかしながら当たり前だがそんな事は不可能である。誰もそんな事は考えていない筈だ。故に「一打でも少なく」というのは明確な目標ではなく漠然としたスローガンに過ぎないということになる。
不可能な目標に向かうのだから道筋も分からない。故に「一打でも少なく」と考えるプレーヤーは闇雲にボールを打つしかなくなるのである。
しかしこれが「自分で可能な最小打数」と考えると劇的に変わってくる。
まず、目標スコアが決まる。可能であるか否かを考えれば、普通に考え100切るかどうかという人が72のパープレイを目指すのは無理だとすぐに判断が出来るはずだ。
それを推し進める。自分のショットの実力、アプローチの技術、パットの調子、そしてコースの難易度まで加味して考える。そして「これなら出せるだろう」と考えた打数が目標スコアになるわけである。
そしてその目標スコアが適正であれば無理無く普通に頑張れば達成出来るのであるからプレーの仕方も決まってくる。闇雲に打つような真似は出来なくなる。
これがゴルフをプレーする上での、そして上達への地図になる。
自分の設定した目標スコアを出せなかったのなら、それは自分の見積もりが甘かったのである。どこが甘かったのか、それを考える。そうすれば自分のプレーのどこに不足があるのか分かり、そこを上達させるために練習すればいい。
あるいは大きく超えて良いスコアが出たのであれば、それは自分の実力が把握出来ていなかったのであり、次はその実力を踏まえて目標が設定出来る。
あるいはぴったり同じになったなら、それは自分の実力を把握しているという事だから、実力を伸ばすための練習に注力すれば良い。
「自分に可能な最小打数を目指す」というのは即ち自分の実力を冷静に評価するということであり、つまりそれが出来なければどうやってプレーするかどこを練習すれば良いのかも分からないのである。如何にこの僅かな考え方の違いが大事なことであるかが分かるだろう。
「ゴルフとは自分で出せる最小打数でホールアウトする事を目指すゲームである」
これを正しく理解して実行すること。それがゴルフを上達するための最初の一歩である。
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