第60話 兄弟

冴子のペロペロ専用2号…



冴子のザーメンゴックン専用3号…



冴子のスペルマタンパク質補充専用4号…



そして5号、6号…



そして冴子のもっともお気に入り 和人くんのおいしいカルピス製造うまい棒 7号



ひきつらせた顔で1号から7号まで貼られた札を順々に目を通していく3人



シールには花柄のマークや絵文字がふんだん盛り込まれ、一見茶目っ気のある可愛らしいイラストで表記されているのだが…



実際ショーケースに入れられた若き男達は皆…



四肢を切り落とされ…身動きさえとれずに冴子のオモチャとして扱われている。



3人は言葉をなくし…



おぞまし過ぎる光景にメサイアは鳥肌を立てた。



これだけでも十分吐き気を催す程の惨劇なのだが…



このおぞましい光景はまだ続いた…



先へ進む御見内の目にまたもショーケースが飛び込み



今度は…



冴子のセックス専用1号…



そんなケースが5号まで並べられ



次いで 冴子の解剖用1号~4号



冴子の人体改造用1号~10号と続いていた。



御見内が人体改造様のショーケースを見るや



ケースの上には何やら完成予想図らしき一枚の紙が置かれ、それを手にした時



御見内は絶句した。



その図には…



頭皮は完全に剥がされ脳味噌丸出しの首から上の図



その首下から電極らしき配線が描かれ、それは心臓へと繋げられていた。 



またその心臓からコンセントが描かれていた。



背後からメサイアとバイヴスも覗き込み、その図を一緒に目にした。



メサイア「なんだよこれ…?」



バイヴス「完成予想図… これって首だけで生きる人間を造るつもり…って事ですか…こんな発想…」



御見内「クレイジーの限度を越えてる…マジでイカレた殺人鬼だ…」



コンセントを差し込めば喋り出す…



生きたオモチャでも造ろうってのか…?



冴子は脳と心臓のみで生きる、改造人間を造ろうしているのがこの完成予想図から伺えた。



ふざけるな… あの女…



怒りが込み上げた御見内がその紙をクシャっと握り潰した。



メサイア「なんだか目眩がしてきたぜ… なぁ それよりこん中にお目当ての半田さんはいると思うか?腕切り落とされてちゃ タトゥーも分からねぇー」



御見内「いや 恐らくここにはいない… 皆若すぎる…」



メサイア「ふぅー だな 俺も同感だ…っかし こいつら こんな身体にされちまって これからこの先どうやって生きていけって言うんだよ いっそ ひと思いにこの場で殺してやった方がこいつらのためなんじゃねえか?」



御見内「いや 状態は関係ない 生きてる限り、ここにいる者達全員回収する」



メサイア「そりゃあただのエゴだぜ もう死にたいと願ってる奴だっていると思うぜ 俺だったらソッコー死にたいね」



御見内「それはこの人達を回収し、この人達が自由になった後の話しだ 個々の願望についてはその時にじっくり考えればいい まずはいち早くこの地獄のような惨状から皆を救い出すのみだ」



メサイア「そ~かよ おまえの正義感には感服するよ でも肝心の半田さんはここにはおらずだな…」



御見内「……」



メサイア「スカされたか…」



その時だ



バイヴス「お2人共 これ見て下さい この扉の先にもう一つ部屋があるようです」



メサイア「まじか?」



奥へと通ずる扉を発見したバイヴスに近づく2人



そしてバイヴスがその扉をゆっくり開いた。



そしてその部屋に踏み込んだ3人の瞳に…



ある1人の男が宙吊りにされているのを目撃した。



全身釣り針のような物が突き刺され、天井からぶら下げられている身体



顔は腫れ上がり、切り傷の外傷も目立つ、目が隠れる程腫れ上がった瞼



また身体中アザだらけな男が糸人形のようにぶら下げられていた。



その男へと近づいていく3人



手首にはあの入れ墨が施されている



メサイア「このタトゥー こいつだな」



御見内「あぁ」



そう… 今 3人の目の前にいる男こそが探していた男



半田…



御見内達は半田を発見した。



激しい暴行の痕…



半田「う…ぅ」



滴る血の滴が床を赤く染め上げている。



御見内「降ろすぞ 手伝え」



全身に釣り針が突き刺さり、伸びた皮膚



御見内達は3人掛かりでその針を取っていった。



御見内とバイヴスが身体を支え、メサイアが除去するさなか



御見内は半死状態で朦朧となる半田の耳元で口にした。



御見内「生きてるか? 俺はマツさんの所のレジスタンスの者だ あなたを助けに来た」



半田「う…ぅ…マツ…さ…」



御見内「すぐに助ける…そしてすぐにここから脱出しよう」



ゆっくりと虚ろな目のみが御見内に向けられ、半田は軽く頷いた。



メサイア「その脚押さえろ こっちから取ってく」



下から半田の身体を支え



引き抜かれていく釣り針



胸部と腕を押さえる御見内は変な曲がり方をした腕に着目した。



半田の腕は歪な方向に向けられ…



腕をへし折られた痕跡…内出血を起こしているのが分かった



また全身アザだらけ…



加減無き暴力の痕



半田は相当激しい暴行を受け、重体なのが見てとれた。



メサイア「よし こっちの脚はとれた 2人で上半身を押さえてろ」



釣り針は着実に取り除かれていき



両脚がぶら下がる



メサイア「よし 解体人 次は両脚を支えとけ」



バイヴス「はい」



そして メサイアが尻、腰、背中の順に釣り針を抜き取り



残す両腕に取り掛かろうとした



その時だ



ガタン



急に扉が開かれ



1人の男が部屋へと入って来た



「ちょちょちょ 駄目っしゅよ~ おたく等 勝手にしゃわるなっしゅ 何してるんでしゅかぁ~」



すると続いてもう1人



ブタの様な肥満体型



瓜二つな醜い顔



「勝手に遊び道具を下ろしちゃ駄目じゃないしゅかぁ~」



バイヴス「あああ…」



恐怖でバイヴスの顔がひきつる



大男は髪の毛を掴み、門番2人を引きずっていた。



「ちゅかえねぇー門番しゅねぇ~ 何の為の門番なんでしゅか~」



そして髪を掴んだまま軽々と門番の1人を持ちあげた



青ざめたメサイアが言葉をこぼす



メサイア「ま…マル兄弟…」



「兄者 み~んな おしゅおきでしゅね~」



「もちゅろん」



拷問 兼 解体人のマル兄弟が突如参上



1人冷静な顔つきの御見内が兄弟を目にし、口にした。



御見内「ほ~ こいつ等か…」



これよりマル兄弟とのバトルが始まる

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る