待機開始

「で、どうだ?

 あの女子生徒達の様子は?」


 社長室では、龍野とヴァイス、そしてフーダニットが話し込んでいた。


「『今のところ、問題無し』。

 そう報告されたわ、騎士様」

「あいよ」


 ひとまず、小康状態には入ったようだ。

 しかし、まだすべき事はある。


 当然、“リブート”の排除だ。

 そもそも彼ら黒龍騎士団は、その為にわざわざ時空間を操作して、やって来たのだから。


「とは言っても……」


 龍野が端末で、残存する“リブート”を確かめる。


「この進捗か……。

 まとめて潰してえもんだな」


 げんなりする様子で、端末を眺めた。

 そこには、32%とあった。


「タイムリミットが無いからこそ、急ぐべきだろうぜ……」


 と、そこにヴァイスが、口を挟んだ。


「逆よ、龍野君。

 現時点では、休むべきよ」

「ヴァイス……」


 そう。

 強行軍で“リブート”を次々と葬った代償として、黒龍騎士団の面々は、疲労を多く蓄積していた。

 当然、鋼鉄人形にも、十全な整備が要求される。


「なら、方針は決定だな。

 フーダ、悪いが当分、休ませてくれや」

「ええ。

 騎士様やお姫様に、全てお任せします」

「サンキュ」


 龍野とヴァイスは社長室を出ると、今後の方針を伝えるのであった。

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