毎年、何故か死地に入る者がいる

 毎年、RN-021-G211地方の死地では何故か入水する者が後を絶たない。入ると忽ち機体が錆び付く。死地として知られているはずなのに、例年数十人程が機能停止不全を起こしている。

 これ以上の犠牲を出すまいと展望塔を設けたが、その監視員は間もなくして行方不明になった。

 監視員が残したサブメモリーにて、死地の浅部に幼い機体が一体確認されていた。映像記録として30秒ほど、水に浸かった脚部が錆付かずに、死地の奥へと踏み出していたらしい。

「うみのいろはなにいろ?」その映像に残された音声データにより、彼の自然言語処理機能を誤作動した記録があるが……幼体の真相は今も分かっていない。

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