ストレイ・キャット・タウンで布を売ってはならない

 ストレイ・キャット・タウンで布を売ってはならない。何故ならすぐに売り物として駄目になってしまうからだという。

 ある絨毯職人が街に着き、住民の忠告を無視して布を売った。彼は宮廷の御用達されていた程には腕は確かだ。きらびやかな商品はたちまち観光客から飛ぶように売れた。

 だが次の日、彼のアトリエに何者かが入ったか布が消えた。盗まれたと考えて街中どこを探しても見つからない。

 仕方なく男は街を出ていく間際、ドブの中に浮かんでいるのを見つけた。それはもう使い物にならない男の布だったが、それとは別に真っ黒な足跡がそこら中に付いていたらしい。

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