紺碧海に面するピューリ市内某所のホテルの25号室

 紺碧海に面するピューリ市内某所のホテルの25号室には誰も住めないという暗黙知がある。

 ある吟遊詩人は、25号室を外から眺めたら弦楽器の音を聞いたと証言した。しかしオーナーや市民の誰もが耳を傾けることはない。

 某日、詩人が外から号室を眺めたらあの音色が聞こえた。彼は手持ちの笛でそれに数分ほど演奏で応えた。

 翌日から詩人が笛を吹くと、時折弦の音も聞こえるようになったという。

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